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バリアフリー・ライフを応援する生活情報誌「WE’LL(ウィル)」創刊。その後、高齢者社会にスポットを当てた「オヤノコト」をキーワードとしたフリーペーパー、メディアサイトの運営を行っている。
人生100年となると80歳を過ぎ、85歳を過ぎた高齢期の暮らし方について事前に考えておく必要あるが、どこで生活するのかを考える前に「誰に面倒をみてもらうか?」ということが重要だ。
これは単に介護をどこで、誰にされたいか?ということを言うのではなく、身の回りで起こりうる様々な事象すべてについてのことである。
例えば、老人ホーム等に入居する際には「身元引受人」や「連帯保証人」など、誰かに対応してもらう必要が生ずる。また、入居した後にも、例えば「医療機関受診時の送迎や付き添い」「治療・手術等医療行為の同意」なども必要になるし、更に将来には「死亡届」「葬儀」「埋葬(納骨)」「遺品整理」等々、自分自身で対応できないことも山ほど発生するのだ。
つまり、それら諸々の「面倒をみてくれる人」の存在が人生100年時代の高齢期の暮らしには必要不可欠になる。
もちろん、身近な「面倒をみてくれる人」は「子供」であることは言うまでもない。
しかし、子供がいない場合や、子供が居ても頼れない場合はどうするのかは、おひとり様が増えている今こそ考えておかねばならない問題だ。 筆者のオフィスの相談経験上これまでの事例をみると、老人ホーム等の入居の際の「身元引受人」として、子供以外の多い順に「きょうだい」「甥・姪」「後見人」となっている。
そこで、今回は、ここで言う「後見人」について書いてみたい。
まず、後見人は「どこまで面倒をみてくれるのか」という点に注意してほしい。身近な家族が後見人となれば話は別だが、認知症の発症により弁護士等の専門職が「成年後見人」となった場合、被後見人の契約行為や財産管理・処分などは対応するが、日常の身の回りのお世話までは対応しないのが普通である。前述の例で言えば、高齢者施設等への入居時に必要となる「身元引受人」「連帯保証人」の代替とはなるが、入居した後の「医療機関受診時の送迎や付き添い」などは対応しない。
まして、成年後見人としての対応は被後見人の死亡をもって終了するので、死後の対応までは責務となっていない。要するに、家族の代わりにはならないのである。
しかし、私はこれまで専門職の後見人に過大な期待を持っていたために「こんな筈じゃなかった」と嘆く被後見人や親族を数多く見てきた。 人生100年時代をどう生き抜くか?を考えれば、「誰と、どこで、どう暮らしていくか?」を真剣に考えなければならないからこそ、是非、相談サービスを利用してほしい。
=本記事は、夕刊フジに連載しているものです。
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