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バリアフリー・ライフを応援する生活情報誌「WE’LL(ウィル)」創刊。その後、高齢者社会にスポットを当てた「オヤノコト」をキーワードとしたフリーペーパー、メディアサイトの運営を行っている。
2020年代に入ると中高年親子が増え、介護離職問題が顕在化すると、拙筆「そろそろはじめる親のこと」でも書いたが、新型コロナウイルス感染症の蔓延(まんえん)でこの話題はどこか蚊帳の外になっている気がする。
厚生労働省が7月17日に発表した昨年の「国民生活基礎調査」では、介護する側もされる側も高齢者である「老老介護」が増えており、家族間で介護する世帯の6割に迫っているという。調査によると、家族間で介護している在宅介護者のうち、介護する人、される人がともに65歳以上の割合は59・7%と過去最高を記録、75歳以上の老老介護も33・1%と過去最高となっており、3世帯に1世帯が75歳以上同士ということになるのだ。
人生100年時代というが、健康寿命は男性で72・14歳、女性で74・79歳(16年度のデータ、厚生労働省HPから)となっているので、暮らしていくのに何らかの支援が必要になる期間が最長で30年程度なる可能性があるといっても過言ではない。
つまり、高齢の親のことも然りだが、自分たちの老後のことを考えても、老老介護という現実に陥る可能性があることを認識しておきたい。
当然、老老介護には共倒れとなるリスクが高く、50~60代が70~80代の親を介護するというケースも増えている中、介護が長引けば仕事を辞めて介護に専念するという人も多いから、今後介護離職問題がさらに増えるのではないかと懸念している。
だが、介護離職し介護に専念するとなると、意外と外部との接触の機会も少なくなり、介護による精神的な負担が(自分が気づかないうちに)大きくなり、被介護者を虐待してしまったり、介護する側がうつ状態になったり、認知症の発症リスクまで高まる。
では、どうやってそれらを未然に防ぐか?
抜本的な解決先は今の日本ではないに等しいが、老老介護でストレスを感じるようになったら一人で思い悩まず、自治体や国のサポートを利用したり、デイサービスなどを利用して介護に関わる時間から解放されてリフレッシュする時間を作ることだ。
さらには、早めに老人ホームのような施設に入居するという手もある。元気なうちから入居し、要介護状態になっても最後まで面倒をみてくれる老人ホームもあるので検討する余地はあるだろう。
=本記事は、夕刊フジに連載しているものです。
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