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秋は「空き巣の急増の季節」⁉ 外出が増える時期だからこそ見直したい我が家&実家の防犯3ポイント

記事の発言・監修・ライター
「オヤノコト」編集部 ライター
大野ルミコ(Rumiko Ono)

雑誌、Web広告などを中心に幅広く活動中。現在、80代の母親と同居するリアル「オヤノコト」世代。聴こえの衰えや唐突に前後する会話に母親の“年齢”を実感しつつも「まだまだ元気そうだし…」と、趣味である野球観戦やライブ遠征に備え、食べるための「歯」・元気で過ごすための「足」の健康維持に励む日々。

酷暑続きだった夏が過ぎ、やっと過ごしやすい季節になってきました。

暑すぎた夏の間、特に高齢の親の中には「外出を控えていた」という方もいらっしゃると思います。その分、今年の秋は家族や友人と足を延ばしてお出かけを――とあれこれ計画を立てている方もいるかもしれません。

でも、そんな楽しみが多い秋は、全国的に空き巣や強盗が急増する「犯罪の季節」だともいわれています。大切な財産や思い出の品、そして命を守るためにも、ご紹介する3つのポイントを軸に、今一度、我が家の、そして実家の防犯対策を見直してみましょう!

なぜ、秋になると強盗や空き巣が増えるの?

これは令和4年度版の法務省「犯罪白書」の中で発表された「侵入窃盗 月別の認知件数」によると、実は空き巣の件数が一年で最も多いのが秋、10月、11月となっています。

その要因・理由としては次のようなことが挙げられています。

秋になると強盗や空き巣が増える理由① うっかり窓を開けたまま外出してしまう

涼しく、過ごしやすい気候となる秋は、その心地よさから「風を入れよう」と、部屋の窓を開けたままにしていることが少なくありません。昼間、常に誰かがいることが多いリビングやダイニングの窓なら問題ないですが、無人となることも多い浴室や寝室の窓をずっと開けっぱなしにしていた場合、そこから誰かが家に入り込んできても気づかず、最悪、室内で侵入者と鉢合わせ――なんてことにもなりかねません。

また、窓を開ける機会が多いということは、それだけ「閉め忘れる可能性も高まる」ということ。すべての窓を閉めた「つもり」のうっかりミスはもちろん、「近くに行くだけだから…」と窓を開けたままで出かけてしまう少しの油断も空き巣犯は見逃してくれません。

秋になると強盗や空き巣が増える理由② 行楽や旅行など、外出の機会が増える
一般的に10月、11月は気温も天気も安定した日が多く、行楽地へのお出かけ……という、機会も増えるもの。留守にする時間も回数も多くなるため、その分、空き巣にも狙われやすくなります。また、行楽シーズンを迎えるのは「我が家」だけではありません。自宅、そして高齢の親が暮らすご実家の周辺のお宅も留守にしている可能性も高いですから、空き巣犯にとっては人の目に触れることなく侵入できる環境にあるといえます。

このように、秋が深まるこれからの季節は空き巣の活動が活発になりやすい条件が揃うことになります。高齢の親の中には「玄関に鍵をかける」ことを習慣とせず生活している人も少なくありませんので、まずは「誰もいない部屋の窓・鍵は常にしめるようにする」ことから呼びかけ、徹底していきましょう。

空き巣の侵入を許さない! 効果的な3つの対策法

では、増えてくる空き巣から我が家を、高齢の親宅を守るためにはどのような点に着目して対策を考えていけばよいのでしょうか。その3つのポイントをご紹介します。

空き巣の侵入を許さないための対策1 
家の周辺から人の目が届きにくい「死角」をなくす
空き巣犯にとって最も怖いのは、自分の存在や行動を「誰かに気づかれる・見られる」こと。そのため、人通りが少ない場所にある、周囲が塀や緑で囲まれているなど、外部からの視線が届きにくい家を狙う傾向があります。そこで「狙われない家」にするためにも、まずは自宅、高齢の親の家の周辺を見回し、死角となる場所はないかを確認するようにしましょう。

例えばプライバシーを守るために、家のまわりを緑で囲んでいる……という部分があれば可能な限り剪定を行い、敷地内の様子が少し外からも見える状態にしておきましょう。また、人目がつかない場所に勝手口や浴室の窓などがある場合は、周囲に足場として使えるような荷物を置かないようにし、防犯カメラやサーチライト、防犯砂利など、侵入者が来た時にすぐに気づけるようなアイテムを用意しておくのもオススメです。

空き巣の侵入を許さないための対策2
侵入に時間がかかる、「入りにくい家」にする

警視庁の調査によると、「侵入するのに5分かかると7割、10分以上かかるとほとんどの空き巣犯が犯行を諦める」のだとか。つまり侵入するのに「5分以上かかる家」にすることで、空き巣被害を防ぐ効果がある――ということ。実際、鍵のある部分のガラスを破って侵入するまでにかかる時間は1分もかからないといわれています。また、アルミ製の柵がついている腰高窓は「柵が侵入者を防いでくれる」と、常時開けたままにしている方も見られますが、実はこれも手慣れた空き巣犯であれば、ほんの数分で取り外してしまいます。鍵がかかっていなければ、簡単に侵入できる場所になってしまうのです。

空き巣犯の侵入手口は「無施錠」と「ガラス破り」が大部分です。そのため、まず玄関はもちろんのこと、長時間使わない部屋、浴室などの窓はこまめに施錠するよう、高齢の親を含む家族でルール化しましょう。またガラスに防犯フィルムを貼る、玄関や人目がつかない部屋の窓には補助錠を付けるなど、外からは簡単に鍵が開かないように対策することが大切です。

とはいえ、防犯対策アイテムの設置は、高い場所への取り付けや工具を使った作業など、高齢の親には難しく、負担がかかるものも少なくありません。帰省した時など、ぜひ一緒に「オヤノコト」世代が危険ポイントを確認し、必要なアイテムの選定や用意をしてあげてください。

空き巣の侵入を許さないための対策3
外出時に「留守」であることを感じさせない工夫を!

家族やお友達との外出が楽しい季節、家を長時間留守にするという機会も増えると思います。その時も少しの手間と工夫で「留守だと見抜かれない」対策を。空き巣犯にとって怖いのは家に侵入してから中で住人と鉢合わせすること。留守なのか、在宅中なのか外からはすぐに判断できない家にすることで、空き巣犯から狙われる確率を下げることもできます。

例えば「帰るのが夜になるから」と、厚手のカーテンや雨戸をしっかりと閉めて出かけるのは、空き巣犯にこの家が留守であることをアピールするようなもの。また、新聞受けに数日分の新聞がたまって放置されていれば「長期外出中?」と侵入のターゲットにされる可能性が高まります。旅行など数日間続けて家を空ける予定がある時には、新聞の配達は必ず止めてもらうようにしてください。

また今はスマホと連動して、時間になると自動で点灯させることができる照明器具や、留守宅に来た来訪者とやり取りができるといった便利なアイテムも次々に登場しています。遠隔操作で離れて暮らす高齢の親の住まいの防犯対策に「オヤノコト」世代がより身近に、積極的に関わることができるようにもなっていますので、高齢の親が犯罪に巻き込まれないか不安という方は、導入を検討してみてはいかがでしょうか。

「うっかり…」「まさか!」をなくす習慣づけを!

・・・いかがでしょうか。

ここまで空き巣や侵入窃盗が増える季節に気を付けるべき3つのポイントをご紹介しました。今は高齢者宅を狙った場当たり的な侵入強盗や、見ず知らずの侵入者がいきなり刃物を振りかざすといった、以前では考えられないような事件も頻発しています。「この辺は治安がいいから」「今まで強盗や空き巣も出たことがないから」ではなく、家族、そして高齢の親とも一緒に普段から犯罪防止に向けた行動・住まいづくりを話し合っていきましょう。

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