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象印マホービンのみまもりサービス「みまもりほっとライン®」が20年以上支持され、続いてきた理由とは?

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離れて暮らす高齢の親の「ポット」の使用状況で毎日の生活をそっとみまもる……そんな安否確認サービス『みまもりほっとライン®』は「オヤノコト」読者でも利用者が多いおなじみのサービスですが、なんとスタートしたのは2001年3月のこと。以降、製品や機能の見直し・リニューアルを経て2025年の現在まで、実に20年以上もの間継続されているのです。

そんな『みまもりほっとライン®』の開発の経緯、ここまでの歩みを、あらためて象印マホービン株式会社CS推進本部の樋川潤さんにお伺いしました。

悲しいニュースを減らすために……不可能への挑戦!

『みまもりほっとライン®』誕生のきっかけは「日用品を利用してお年寄りの日々の生活を見守るしくみができないか」という、一人の医師からの相談だったといいます。

病気の息子と看病していた母親が亡くなってから1カ月後に発見されるという悲しいニュースを聞いたその医師がショックを受け、象印さんに相談したことがきっかけでした。

その依頼を受けて象印が開発に乗り出したのが「高齢者在宅安否確認システム」。高齢の親が自宅で炊飯器や電気ポットを使用することで流れる電気信号を通じて、家族の携帯へメールを発信し安否を確認できるという構想でした。

「ジャーやポットは毎日使用するものですから、もし信号が発信されない場合は『何か異常があったのでは?』と、連絡が取れます。それに監視されているという意識を持たれることもなく、プライバシーを守ることもできる。このシステムにはさまざまなメリットがあると考えられていました」(樋川さん/以下同)。

日々の「お茶の時間」を緩やかなみまもりの機会に

その後、「より規則的に使われるので、生活リズムを把握するのに適している」との理由から電気ポットに決定。使用実験でも有料モニターでも非常に好評を得たのですが……使用する電気ポットをインターネットとつなぐというシステムを実現するには、電話回線工事が必要となるため、その費用がネックとなり一度はプロジェクト中止の判断が下されてしまったことも…。

「そんな流れを変えたのは、ポットと情報の通信技術に関してはNTTドコモ、データを吸い上げるためのサーバー技術については富士通からの協力を得ることができたこと。そして後に弊社社長となる市川典男が、この事業の意義を理解し、社内の『IT業界へ参入するのはリスキーだ!』といった声を抑え、事業化への後押しをしたことで開発を加速させる大きな要因となったのです。

そしてついに2001年3月、高齢化社会に貢献したいという3社の思いが結集した『みまもりほっとライン®』のサービス開始にこぎつけることができました」。

20年以上支持され続ける理由、そのキーワードは「常識を超えること」!

離れて暮らす親のポットの使用状況を、本体に内蔵した無線通信機器から指定したアドレスにメールで通知する……言葉にすれば簡単ですが、実際にこれを実現するためには、ポットとして実用的な大きさや重量を保ち、そして当然、水やお湯を使っても影響を受けない形で通信機器を搭載しなければなりません。見た目は普通のポットでも、その中にはこれまでの「常識」を超えた、高度な技術が詰めこまれています。

「みまもりほっとライン®」初期モデル(iポット)

「だからこそ、この“家族をつなぐ”製品が果たす役割、性能を少しでも多くの方に知ってもらおうと、CMや広告を掲載しながら、福祉機関への説明を行うなどの地道な普及活動を続けました。その結果、徐々に契約者が増加、ネットKADEN2005(経済産業省主催)準大賞を受賞するなど、各所からご評価をいただくようにもなりました」。

また、同時に象印が力を注いだのが、利用者ご家族に長く、安心して使い続けていただくための「アフターフォローの充実」でした。

「ご利用される方、導入を検討される方は、80代、90代になった親御さまの毎日の様子に不安を感じるようになったというお子さまが中心。お子さまのご年齢も50代後半から60代前半ですから、難しい機械操作に苦手意識をお持ちの方も少なくありません。
また、ご高齢の親御さまが使うものだけに、安全性にも非常に慎重になっていますから、寄せられるご意見やご質問にも真摯に耳を傾け、他部署からも『そこまで?』と驚かれるほどのフォロー体制を整えてきました」。

内部を清潔に保っていただくため、ご利用者様には半年に一度「ポット洗浄剤」をお送りする。不具合が起きた際には「ポットが使えない期間」を作らないよう、お客様の原因による故障以外は修理ではなく即、商品を交換する。経年劣化による故障を防ぐため、約5年に一度、ポットを丸ごと交換する。メールやお問い合わせフォームだけでなく、専用の問い合わせ電話窓口を稼働する。操作手順をわかりやすくする「番号シール」の提供。……一般的な家電製品としては、まさに異例ともいえるほどのアフターフォローを続けています。

毎日、使うものだけに「安全に使い続ける」ためのフォローも欠かせない

正直、『みまもりほっとライン®』は、象印を代表するヒット製品……というわけではありません。しかし、利用されている方々にとっては「家族のさりげないコミュニケーション」を担う、生活に欠かせない非常に重要なツールであり、5年、10年と長く使い続けているご家族が多いのも事実。また、このポットを利用していたことで「親が倒れていたことに早く気づけた」「様子がおかしい……と気づき、早めに病院に連れていくことができた」といった、感謝の声も数多く寄せられているといいます。

最新のIoT技術を搭載した新たなみまもりサービスが次々に登場するようになった今でも『みまもりほっとライン®』が支持され、長く愛用されているのは、利用者の方々からのさまざまな声と真摯に向き合い、手厚いアフターフォローを続けることで「安心して使い続けられる」という信頼関係を築いてきたからなのです。

リニューアルを経て……『みまもりほっとライン®』の新たな挑戦とは?

2023年、『みまもりほっとライン®』は、「親の元気をそっと見守る」というコンセプトはそのままに、ポット(iポット)を大幅にリニューアル。専用のIoT技術を採用し、形状はよりコンパクトにより軽く、一方で提供できるサービスや機能はより充実したものへと生まれ変わりました。

これまでは『電源を入れた』『給湯した』といった使用状況をメールでお送りするというシンプルな機能でしたが、空だきをした時、長時間(24時間もしくは36時間)何も操作されなかった時にも通知が送られるようになりました。また過去1年間まで遡って、ポットの使用履歴を比較できるようにもなり、親御さんの『あれ?ちょっと今までと違う?』といった変化に、より早く気づくことができるようになっています。

親のちょっとした変化に「早く気づく」ためのさまざま情報を提供

「新たな基盤となるIoTプラットフォームを構築したことにより、これまでなかなか気づくことができなかった日常の“些細な変化”にも、より早く気づけるようになっています。今後はこうしたデータを蓄積して、認知症のサイン、早期発見につながるポイントの解析などにも貢献していきたいとも考えています」。

また、近年は地球温暖化の影響から気温が上昇し、特に夏は命の危険を感じるほどの猛暑に見舞われることも。そのため、象印にも「暑くてポットを使う機会が減った」「特に夏はポット自体、ほとんど使わない」という声が多く寄せられるようになったといいます。でも実は「体を温める」ことは、暑さ・寒さに負けない体を作るためにはとても重要なポイントでもあります。

「暑い日はつい冷たいものばかり摂ってしまいがちですが、飲み方によっては内臓を冷やし、手足の冷えやむくみ、食欲不振につながる恐れもあります。今後はこうした健康面からも温かな“お湯”を活用し、体を温めることの大切さを知っていただき、ポットをご家族の健康維持にも役立てていただきたいですね」。

温かなお茶や薬膳茶などで「体を温める」大切さを伝えていく情報提供も発信中

合わせて、これまで寄せられてきた声を参考にアフターフォロー体制もさらに充実。入院などにより「ポットを使わない期間」が発生したときのため、最大2カ月間、月額料金が発生しない「休止措置」の設定(年に一回)、電気ポット本体に不具合が発生したときに利用者(通知選択制)だけでなく象印側にもその情報を通知し、より素早い対応を可能にした「不具合通知」をポット本体に搭載するなど、これまでとかわらず「安心して使い続ける」ためのサポートに力を注いでいます。

「お客様情報の管理強化を図るために、象印マホービンの公式オンラインストア『象印ダイレクト』への登録が必須となりましたが、スマホやパソコン操作が苦手という方のために新たに専用のマニュアルや、「スマホ用お申込み手順動画」などにより、お申し込みの仕方をわかりやすくするなど、皆さまの声を受け、できる限りのサポートを続けていくつもりです。今は通話アプリ(ZoomやTeamsなど)も普及し人と人がすぐにつながる時代になりましたが、親と子の程よい距離感、ゆるやかなコミュニケーションをサポートするためにも、このサービスを長く提供し続けたいと考えています」。

まさに、親の見守り機器は参入しては撤退するという企業が多い中で、24年継続している同社には「オヤノコト」編集部としても頭が下がる思いです。改善を繰り返しながら、その想いをずっと継続していただきたいですね。

象印マホービン『みまもりほっとライン®』

離れて暮らす親がポット(iポット)を使用すると、本体に搭載された通信機器を通じてご家族にその使用状況をお知らせ。スマホやパソコンからいつでもどこでもさりげなく毎日の暮らしの様子を緩やかに見守ることができます。インターネット、Wi-Fi、設置工事は不要。ポットが届いたらすぐに使えます!

『みまもりほっとライン®』の情報通知サービスからわかること

  • 電源を入れた、給湯した…などのポットの使用状況
  • ポットが空の状態で電源を入れた時(空だき通知)
  • 長時間(24時間もしくは36時間)何も操作されなかった時(未操作通知)
  • 電気ポット本体に不具合があった場合(本体不具合通知) ※象印に情報が通知されます

他にもこんな機能が搭載されています

  • 直近一年以内の2つの指定日の使用履歴をグラフで比較
  • ほぼリアルタイムに情報を更新
  • 一括確認画面でお一人の契約者が複数の電気ポットの利用者情報を確認可能
  • おでかけボタンでご家族に「外出/帰宅」をお知らせ

サービス概要(金額はすべて税込)

初期費用:5,500円
サービス利用料:3,300円/月
※契約後、最初の1カ月はご利用料無料
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   お申込み時の「契約者情報欄(お届けに関する事項)」に、
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※ポット(iポット)はレンタルですが、新品をお届けします
※初期費用・利用料には次の料金が含まれます

  • 「iポット」のレンタル料、送料、iポットの利用に関わる通信料
  • メールサービスなどのサービス料
  • 万が一の故障時の修理費用 ※お客様の取扱不注意や外部要因によるものは除く

※ご契約・ご利用には象印マホービン公式オンラインストア「象印ダイレクト」への登録が必要になります。
※「みまもりほっとライン®」は、自治体によっては「高齢者みまもり支援事業」として助成を受けられる場合があります。お使いになる方のお住まいエリアが対象かどうかは象印マホービンのサイトをご覧ください。

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