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老人ホーム選びは、プラス面だけでなくマイナス面もきちんと説明してくれるホームを

記事の発言・監修・ライター
尚宏 大澤
「オヤノコト.マガジン」編集長大澤尚宏氏

バリアフリー・ライフを応援する生活情報誌「WE’LL(ウィル)」創刊。その後、高齢者社会にスポットを当てた「オヤノコト」をキーワードとしたフリーペーパー、メディアサイトの運営を行っている。

今、介護事業者や老人ホーム事業者の倒産が増えているという。
私の知り限りでも、既に淘汰の時代に入ったと話す事業者は多い。
毎々だが、介護離職への備えをしなければならないことは言うまでもないが、具体的なアクションはしないまま、(アクションの仕方が判らないという方も多いのだが)親に何か起こってから老人ホームなどを探すというケースも多い。 だが、先に述べたように老人ホームも淘汰の時代に入り、倒産が増えていることを考えれば、慌てて探して入居契約することは避けたい。
「一旦入ったら出にくい」という老人ホームの特性を視野に入れて行動すべきである。 例えば、有料老人ホームは入居前に入居一時金を払うのが一般的であり、その額は数百万円から数千万円と高額になる。 昨今では入居一時金ゼロというところもあるが、多くは入居一時金のスタイルを取っているところが多い。まさに、入居した老人ホームが万が一倒産した場合、この入居一時金が返ってこないことがあることは知っておくべきだろう。
そして、入居一時金は500万円を上限に保全することが法的に義務付けられているものの、守れない事業者もあり、トラブルも急増している。つまり、入居一時金も戻らないまま、出ていくはめになったという人も多くいるのだ。
個人で老人ホームを探す際に気をつけて欲しいのは、マイナス面を言わず、良い事ばかりを口にする説明員は危険だ。出来るコト、出来ないコト、マイナス面もしっかりと伝えてくれるホームを選ぶことはひとつの判断基準になるだろう。
いずれにしても、老人ホームは「人徳産業」である。 何度でも訪問、見学し、疑問点をぶつけてみても、真摯に対応してくれる事業者を選んでほしい。
=本記事は、夕刊フジに連載しているものです。

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