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「定年後に何しよう」と安穏と構えていられる人はそう多くはない…今こそ資格取得の検討を

記事の発言・監修・ライター
尚宏 大澤
「オヤノコト.マガジン」編集長大澤尚宏氏

バリアフリー・ライフを応援する生活情報誌「WE’LL(ウィル)」創刊。その後、高齢者社会にスポットを当てた「オヤノコト」をキーワードとしたフリーペーパー、メディアサイトの運営を行っている。

新型コロナウイルス感染症による緊急事態宣言が解除されたとはいえ、その後も東京都では1日当たりの感染者数が2桁となる日が続いている。
今回のコロナウイルスという人類の脅威は、そう簡単に解消できるものではなさそうだが、まさに、われわれの暮らしや人生に直結してくる難題も突き付けてくるから厄介だ。
総務省が5月末に発表した4月の完全失業率は前月比0・1㌽上昇の2・6%と、2カ月連続で前月を上回ったが、4月末の発表時点でも完全失業者数が176万人と、前年同月比で2万人も増加しているし、同じ4月末に厚生労働省が発表した有効求人倍率も4カ月連続で低下している。そう、コロナによる経済への影響はこれから本格化するとみられるのだ。
もともと日本は高齢化と人口減少で市場が縮小し、国際競争力も低下していたこともあって中高年のリストラはあちこちで当然のように行われていた。そこに、消費税増税、そして追い打ちをかけるように今回のコロナである。
経済活動が停滞すれば、然るべくして、これから起こるのは早期退職と大規模なリストラと考えられるが、いうまでもなく中高年の転職も当然難しくなる。
それこそ、「人生100年、定年後に何しよう」などと安穏と構えていられる人はそう多くはないだろう。そこで、今のうちに資格を取っておくことをお勧めしたい。
資格といっても、弁護士や公認会計士、医師などの資格を取った方がいいと言っているのではない。例えば、これから先も介護の現場は忙しく、人手不足が慢性化するであろう。そこで、ケアマネジャーや介護事務管理士、認知症介助士などを今から取っておいてはどうだろう。
特に認知症介助士などは、2025年に認知症患者が700万人を超えるといわれていることをかんがみれば、介護だけでなく、販売の現場やサービス業など、さまざまな職場で重宝がられるはずだ。つまり、転職の際にも有利ということになる。
これら以外にも、サプリメントアドバイザーやファイナンシャルプランナーなど、この先の暮らしに役立ちそうな資格は生かせる機会が多くある。今、在宅勤務やリモートで比較的時間がとりやすい人も多いと思うので、この機会に資格取得にチャレンジしてみてはどうだろうか。

=本記事は、夕刊フジに連載しているものです。

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