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シニアに進むスマホ普及…「デジタル終活」の検討を

記事の発言・監修・ライター
尚宏 大澤
「オヤノコト.マガジン」編集長大澤尚宏氏

バリアフリー・ライフを応援する生活情報誌「WE’LL(ウィル)」創刊。その後、高齢者社会にスポットを当てた「オヤノコト」をキーワードとしたフリーペーパー、メディアサイトの運営を行っている。

かつては「シニアはガラケー」というイメージが強かったが、今や70代の40%超がスマートフォンは使っているという。
これは昨年1月、NTTドコモ モバイル社会研究所が関東1都6県の60~79歳の男女を対象に行った調査によるものだ(有効回答数506人)。70代でスマホを利用しているのは43%、ガラケーは39%だった。この調査で初めてスマホを持つシニアの方が多くなったらしい。
ちなみに、60代のスマホ所有率は70%で、ガラケー29%の2倍以上となっている。これは前年の調査で初めてガラケーがスマホを逆転したというので、その後の普及のスピードが非常に速かったことになる。とすれば、70代も同様に、急速にスマホが普及していく可能性が高いと推測できる。
だが、今回の新型コロナウイルス騒動で、タレントの志村けんさんがあまりにも突然にお亡くなりになったことで、私はふと、「志村さんが使っていたスマホやタブレットはどうなるのだろう」と気になってしまった。
データの中には膨大な量の個人情報や画像、メール類が残されていると思うが、それには本人しか分からないパスワードが掛かっているだろうし、残したいデータ、秘密にしておきたいデータもあったのではないか。
そう、今やデジタル機器なしには生活していないが、誰もがいつどういう事故や病気にかかるか分からないことを考えれば、「デジタル終活」も真剣に考えるべきではないだろうかと思うのだ。
某クライアントからも「OB向けの終活サービスをリリースしたら、想定外の反響があってびっくりした」という話を聞いたが、それには同様のサービスも付加されていた。
超高齢社会を迎え、エンディングはさまざまなカタチに進化しながら広がりを見せている。デジタルに関わるエンディングを担うサービスも出てきているので、スマホをお持ちの方には早めに検討しておくことをお勧めしたい。
=本記事は、夕刊フジに連載しているものです。

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