ご相談はお気軽に

「とりあえず相談」でも大丈夫です
親の介護や、家族の老後、補聴器や見守り商品など
「オヤノコト」について総合的にお手伝いしています
お急ぎの方はお電話で
03-6265-0446 平日10時~18時 相談してみる
親のこと・老後のご相談はお気軽に
第6回:相談者50代、対象者(母親)80代
画像はイメージです
20年ほど前に親を呼び寄せ、母を看取った経験から、人生の終末期や家族の思いなどについて考えるように。施設やそこで暮らす親世代、認知症、高齢の親と子どもの関係、終末期に関するブックレビューなどを執筆
佐野昇二さん(仮名・55)は、突然亡くなった姉の遺産を母に移管するため、奔走しています。時間をかけて母親の気持ちに寄り添い、手続きや契約などはすべて佐野さんが同行し対応していきました。税理士だけは、週末や夜でも対応できる人を選べたものの、姉の死から相続手続き、資産の運用相談まで、金融機関はもちろん、市役所や法務局での相談や手続きはすべて平日にやるしかありませんでした。
「最初から母に代わって私が代行することはできません。はじめはどこも母を連れていかなければなりません。すべて、私が会社を休んで同行するしかありませんでした」
しかも、佐野さんは転職したばかり、有給は5日しかなかったうえ、姉の忌引き休暇も、土日も含めて3日と決められていたと嘆きます。
オンラインや電話でできることはやったものの、どうしても足を運ばないと進まない手続きがほとんど。佐野さんは有給休暇を使い果たし、欠勤という形で休みを取るしかありませんでした。「このままでは賞与に影響してしまうのでは」と、人事に聞いて初めて介護休暇や介護休業制度の存在を教えてもらったと言います。
2025年4月から施行された「改正育児・介護休業法」では、介護に直面した旨の申し出をした労働者に対して、事業主は介護休業制度等に関する周知を個別に行わなければならないと定めています。また、介護に直面する前の早い段階で、介護休業制度等について情報提供しなければなりません。
佐野さんの場合は母親の介護のための休暇ではないので、いずれにしても介護休暇は使えなかったにしても、早いうちに何らかの情報提供があってほしかったと思います。法律施行後、佐野さんの会社がどんな対応を取るかも気になるところです。
「そもそも就業規則も書面で見たことがありません。イントラネットに入っているのでしょうが、どこに入っているのかもわからないのも使いにくいですね。ともかく、欠勤扱いについて相談したところ、人事は『母を病院に連れて行くため』と記録すると言ってくれたので、一安心です」
介護をしている人は、まずは会社や上司に伝えておくのが第一歩ですね。
母親のために奔走した佐野さん。実は、母親や姉が“アバウトな性格”なのを熟知していたので、将来のことを見越し、実家や病院からいずれも車で10分のところにマンションを買っていたそうです。その手回しの良さに感服しました。遠くに住んでいたら、とても1ケタの欠勤では済まないでしょう。
それでも、銀行や役所周りは大変だったと明かします。父親名義のままになっている土地や家、銀行口座が気になりつつも、これ以上欠勤するわけにはいかないため、まだ手が付けられない状態だと言います。
佐野さんは、これまでの経緯を淡々と語ってくれました。銀行の担当者とやり取りするうちに、母親がポジティブになっていったと聞いて少し安心したものの、長く二人で暮らしてきた娘に先立たれた高齢の母親の気持ちを思うと言葉がありません。実際、母親の落胆ぶりは想像以上だったと佐野さんは振り返ります。
「私と妻が母の話をとことん聞き、叔父にも母に電話をしてくれるようにお願いして、ようやく悲しみが癒えてきました。一番親身になってくださったのが、母のコーラスの仲間の皆さん。同じ地域に住む、同年代の友人が、母の気持ちに寄り添って、一緒に泣いてくれて、少しずつ元気を取り戻すことができたのです」
超高齢社会は、佐野さん母娘のような逆縁の悲劇も多く生み出しているのだと実感しました。
今は毎日母親に連絡し、週末は母親のところで食事をしているという佐野さん。今後、同居も考えていると言います。亡くなった姉の分まで、親孝行したいという気持ちは、母親にも十分すぎるくらい伝わっていると思いました。
みんなで考える「そろそろ親のこと、自分のこと・・・」
「オヤノコト」相談サービス(無料)
例えば、「離れて暮らしている高齢の親のことが心配」「親の住まいはどうする?」という問題を解決しようとすると、「自分の親に適したサービスは?」「お金の準備は?」「空き家になった実家はどうする?」と、次々に連動した新しいお悩みが出てくるもの。
「オヤノコト」相談サービスでは、各専門の相談員と連携しながら、『全部まとめて』相談をお受けします。出版事業で培ってきた知見とネットワークを生かし、経験豊富な相談員を揃えて皆様のお悩みに向き合います。
漠然とした不安やお困りごとからでも、ご遠慮なくご相談ください。
・介護、相続に関する相談
・離れて暮らす親の見守りの方法
・老後の住まい(ホームの相談、紹介)
・老後の資金計画(シミュレーション)
・お墓の建立、引越、墓じまいの方法
※上記以外も何でも相談できます。
調査データ・写真・イラストなどすべてのコンテンツの無断複 写・転載・公衆送信などを禁じます。転載・引用に関する規約はこちら