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第6回:相談者50代、対象者(母親)80代
画像はイメージです
20年ほど前に親を呼び寄せ、母を看取った経験から、人生の終末期や家族の思いなどについて考えるように。施設やそこで暮らす親世代、認知症、高齢の親と子どもの関係、終末期に関するブックレビューなどを執筆
佐野昇二さん(仮名・55)は、突然亡くなった姉の遺産を母に移管するため、奔走しました。条件に合う税理士が見つかり、相続手続きは何とか済んだのですが、実家の土地や家、銀行口座が20年以上前に亡くなった父親名義のままになっていたことが判明しました。
(第1話はこちら)
佐野さんは頭を抱えました。しかし、その前にやらなければならないことがありました。
姉の莫大な遺産を相続したものの、寝かせておくには多額すぎました。どう生かすのか。母親は、一つだけ持っていた自分名義のゆうちょ銀行の口座にすべて入金すると言って譲りません。ですが、ゆうちょ銀行は1,300万円までしか利息が付きません。「遺産全額をゆうちょ銀行に預けるのはあまりにもったいない」と焦燥感が募りました。
「でも、ここは強引に誘導するのではなく、時間をかけて母が納得するまで説明しようと思いました」
というのも、母親は姉の死という痛手もあり、ナーバスになっているのを感じていたのです。例えば、父親名義の家や土地を高齢の母親が相続するより、佐野さんが相続した方が節税になるだろうと伝えても、母親はもしかしたら、「息子が自分の財産をだまして取り上げようとしている」と疑うことも十分考えられました。
だから、「あくまでも母にとって最善と思うことを提案はするけれど、決めるのは母」というスタンスを取ることにしたのです。
それと並行して、佐野さん一人で銀行回りもはじめました。
実家の最寄り駅周辺には、信用金庫から地銀、メガバンクが揃っています。このすべてを回ったといいます。
まずは地域に根付いた金融機関で、遺産を少しでも地域に役立つ形で使ってもらえないだろうかと考え、信用金庫、地銀を回り、相談しましたが、どこも「うちでは対応できる人間がいない」とほぼ門前払い。「せっかく姉の遺産を地域のために使ってほしいと思って相談しているのに……」と、落胆を通り越して、あきれてしまったといいます。
それならと、メガバンクに相談。銀行回りをはじめて2か月ほど経つと、「ゆうちょしか嫌」とかたくなだった母親も「銀行の話を聞いてみてもいい」という気になっていきました。
そこで、銀行には「母が納得いくまで丁寧に応対してほしい」と伝えたうえで、母親を連れて窓口に行きました。対応した女性行員の話を聞いて、母親は納得したようです。そして、ゆうちょをメインバンクにすることは変えないで、それ以外の運用はメガバンクにするということで落ち着いたのです。
佐野さんが驚いたのは、担当者の説明を聞くうちに、母親がだんだんお金の運用ということに意識が向き、積極的になってきたこと。当初、母親は「元本割れは嫌」と手堅い条件を出していました。その意思に沿って定期や国債などを紹介してもらっていました。はじめは「定期で」と言っていた母親でしたが、話を聞いていくうちに「定期では物足りない」と言い出したのです。「母の考え方がポジティブになっているんです」と佐野さんは苦笑します。姉は、遺産という形で母親の生きる意欲を引き出したのかもしれません。
最終的には、母親の先々を見据えて、介護保険、外貨建て保険、それに運用利益をボーナスという形でもらえる商品に決めました。もちろん、母親もその内容についてしっかり理解し、最終決定も自身で行っています。佐野さんが考えた「母にとって良い形」が実現したのです。
「ようやく、ひと段落」と言いたいところですが、「まだ5合目といったところでしょうか」と佐野さんは言います。
この間、税理士だけは、週末や夜でも対応できる人を選べたものの、姉の死から相続手続き、資産の運用相談まで、金融機関はもちろん、市役所や法務局での相談や手続きはすべて平日にやるしかありませんでした。
みんなで考える「そろそろ親のこと、自分のこと・・・」
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