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「オヤノコト」相談室に寄せられた相談のうち、今回は若村恵子さん(仮名・58)のお話をご紹介します。若村さんのご両親は長く商売をしており、常に一緒でした。しかしともに90代になり、老々介護にも限界が近づいていました。一人娘の若村さん。大切な両親のどちらも無理することなく、穏やかに過ごしてほしいと考えたのです。その選択とは――。
若村恵子さんの両親は、60年以上小売店を営んでいました。20年ほど前に店をたたんでからも、商店街の中にある店舗兼住宅で暮らしていました。
「商売をしていた頃から、両親は24時間一緒に過ごしていました。母は家事や子育てに加えて来店されたお客さま対応をやってきて、店をたたんでからも父の世話や介護はすべて一人でやっていました」
というのも、父親は20年以上前から心臓に持病を抱えていたのです。
「心臓にできた血栓が脳の血管を詰まらせて脳塞栓を起こしたこともあります。母は父を連れて毎日一緒に近所の散歩コースを決めて歩き、多少残っていた後遺症もほぼなくなっていました。80代になるとペースメーカーを入れて障害者手帳ももらっていましたが、母は父を“叱咤・叱咤・激励”しながら、それ以上体が衰えないよう支えていたのです」
しかし2年前には心臓に人工弁を装着。さらに昨年、通っていたデイサービスでコロナに感染すると足の力の衰えが顕著になり、今年に入ると車いすを使うようになりました。
もともと両親の寝室は2階でしたが、住環境を整えるために父親の寝室を以前店舗だった1階のスペースにつくり、トイレと浴室との動線を考慮して改装しました。それでも、小さな段差はあり、洗面所は2階のままで決して良好とはいえません。父親はむろん、介護する母親にとっても同じことでした。
「転倒することもたびたびでした。母がバランスを崩した父をかばって背骨を痛めたり、転んだ父を起こそうとして腰を痛めたりすることもありました。父の夜中のトイレの回数が増え、足のもたつきもあり、ベッド横にポータブルトイレを配置したのですが、うまく使えなくて周りを汚すことも多く、母のストレスはかなり溜まっていたようです。私もできるだけ実家に行くようにしていましたが、母からは『もう限界』という言葉も出るようになっていました」
父親の介護に時間や手間を取られ、母親は自分の不調は後回しにしており、病院受診も思うようにできていませんでした。それでも母親は、自宅に訪問ヘルパーや訪問看護師が家に来ることに抵抗があったといいます。
「ホワイトソースひとつでも、イチから丁寧に手づくりする母なので、家事くらい人の手を借りなくてもできるという自負がありました。そんな母の手料理のおかげで、父の健康が保たれていたということでもあるのですが……母の料理は本当に美味しいんです」
「もう限界」という状況にありながら、身を削るようにして奮闘する母親を見かねたケアマネジャーが、一時的に両親の距離を取って母親を休ませてはどうかと、特養(特別養護老人ホーム)でのショートステイを提案しました。それが、今夏のこと。
「妻に負担をかけている」という自覚のあった父親も、この提案をすんなり受け入れてくれました。が、2回利用した結果はかんばしいものではありませんでした。
「最初の1回目は父が眠れず、熱を出して帰ってきました。歩くのもやっとという感じで、『一体何があったんだろう?』と思うほどでした。2回目はなぜか歯が3本も抜けていて、『これはちょっと』と施設への不信感を抱きました」
それでも母親の体力や自宅の環境を考えると、父親に有料老人ホームに入居してもらうのが最善の方法だと気持ちが固まったと言います。両親の思いも一致していました。
実はこのとき父親は料金的なことを気にして「特養でもいいよ」と言ったそうです。しかし、
「これまで何のために働いてきたの? 真面目に働いてきたんだから、自分のために使いなさいよ」と説く若村さんの思いを、父親は素直に受け取ってくれました。
「ただ母には葛藤もありました。自分のせいで父をホームに入れることになったと自分を責めていたのです」
ショートステイ体験で、施設選びの重要性に気づいた若村さんは、母親が自分を責めないで済むためにも、父親が快適かつ安心して暮らせるホームを探そうと決心。「オヤノコト」相談室を訪れたのは、ショートステイが終わってまもなくのことでした。
(2に続きます)
みんなで考える「そろそろ親のこと、自分のこと・・・」
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例えば、「離れて暮らしている高齢の親のことが心配」「親の住まいはどうする?」という問題を解決しようとすると、「自分の親に適したサービスは?」「お金の準備は?」「空き家になった実家はどうする?」と、次々に連動した新しいお悩みが出てくるもの。
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