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バリアフリー・ライフを応援する生活情報誌「WE’LL(ウィル)」創刊。その後、高齢者社会にスポットを当てた「オヤノコト」をキーワードとしたフリーペーパー、メディアサイトの運営を行っている。
介護離職の問題は2020年代にはさらに顕在化し、企業経営にも大きな影響を与えるであろうことは散々指摘してきた。
先日も「介護離職に備えよ」というテーマで某メーカーで講師をしてきたが、満席状態の参加者のほとんどが40代と50代、「親のことが不安になってきた」という親が要介護状態でない人が過半数以上で、親が元気なうちから積極的に親の健康や介護予防について行動しないと、真の介護離職対策にはならないということにいたく感動してもらえた。
そんな中、7月4日にサントリーが社員の75歳以上の親(家族)が、在宅でかかりつけ医の診療を受けることができる「オンライン診療」システムを導入すると聞き、早速人事部部長の千さんにお話を伺ってきた。
千さんによると、そもそもサントリーは2016年から「健康経営」を打ち出しており、ラジオ体操や健康合宿、ヘルシーメニューなど様々取り組んできたとのこと。
そして、今年の10月からはインテグリティ・ヘルスケア社が提供するオンライン診療システム「YaDoc」を導入し、特定保健指導の基準に達している40歳未満の社員に対するオンラインによる保健指導を導入するとともに、(社員の)離れて暮らす75歳以上の親(高齢の家族)がかかりつけ医とオンラインで診察が受けられるようにするという。
毎年10名前後の介護離職がおり、通院のために毎月帰省する社員がいるということを考えれば、この取組みに踏み切った理由がわかるのだが、システムを活用するには、高齢の親がタブレット端末やスマートフォンを使えることが前提で、併せて、かかりつけ医がオンライン診察の導入に合意し、システムを導入しなければならないと聞いて、インテグリティ・ヘルスケア社にも取材してみた。
同社によると、端末をもたない親世代には端末のレンタルや使い方のフォローもしてくれるし、かかりつけ医には同社が医師に説明に行くと聞き、相応の対策をもって臨んでいることが充分に理解できた。
介護離職予防策を早めに取ることが社員にとっても、その親にとっても、人生に関わる重要なテーマであることを鑑みれば、オンライン診察システムの導入を推し進めたいという「志」はとてもよくわかる。
一筋縄ではいかない「介護離職問題」を本気で解決しようと思えば、会社も個人も、形だけの取組みや理屈だけでなくチャレンジし、行動することが大切なのだ。
=本記事は、夕刊フジに連載しているものです。
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