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編集部では、高齢の親を持つ「オヤノコト」世代に、冬場、家の中で親に起きた“ヒヤリとした出来事”についての緊急アンケートを実施。
実際に起きたさまざまな事例からは、不慮の事故や急な体調不良から高齢の親を守るためのヒントが見えてきます。
2010年に東京都生活文化局が発表した調査によると、東京都に住む60歳以上の男女3千人のうち、実に66%もの人が過去5年間に今や台所などの室内でヒヤリとした経験、もしくはケガなどをした経験が「ある」と回答。
そのうち、実際に46%の人が「実際にケガをした経験がある」と答えています。
トでも、実際に起きた“ヒヤリとした体験”が多数寄せられ、高齢の親世代にとって室内にはさまざまな危険が潜んでいるのだと改めて実感させられます。
実際に起こった“ヒヤリ体験”の内容分析したところ、大きく分けて冬場の「暖房器具」に関するもの、リビングとトイレ、お風呂場などとの「室温差」による健康不安、そして、わずかに生じた段差などによる「転倒」と、3つの“不安の芽”があることが見えてきました。
そこで、それぞれに潜む危険性を知るとともに、不慮の事故や突然の体調不良から親を守るために、今、私たち「オヤノコト」世代にできることを考えていきましょう。
暖房器具の消し忘れや、洗濯物による火事寸前の“ヒヤリ体験”も。 高齢で「ついうっかり…」が増えているようなら、こまめに声をかけてあげることも重要
「オヤノコト」会員からの声
●ストーブに衝突し、倒れそうに! 台所に置いた石油ストーブにぶつかり、ストーブが倒れそうに。よく歩く場所に置いてあったのが原因のようです(母・60代後半)
●ストーブを消し忘れたまま外出 ストーブをつけっぱなしの状態で一日中外出していました。(母・70代前半)
●ストーブの近くに洗濯物が! ストーブが焦げ臭いので見に行くと、取り付けていた安全柵に洗濯物が落ちて焦げ付いていました。(義母・80代前半)
寒い冬に欠かせない暖房器具。アンケートでは、「ついうっかり…」による消し忘れや、「ストーブの近くに洗濯物を干していて火事寸前になった」というヒヤリ体験も。
置き型のストーブは燃えやすいものや動線の近くに置かないなど、“当たり前”と見過ごされがちな使用上のミスが大きな事故の原因になることも考えられます。
一度、暖房器具の使い方や置き場所などをチェックしてみては?
リビングは春のような暖かさなのに、一歩廊下に出ると真冬の寒さ――。そんな経験はありませんか?でもこの室内の「温度差」が心臓病や脳疾患を引き起こすことも。
「オヤノコト」会員からの声
●湯冷めで風邪をひきやすく 浴室があまりにも寒く、毎年、風邪のような症状でたびたび寝込んでしまうほど。体調を考え、浴室暖房を入れました。(母・50代)
●トイレ、浴室が寒く肺炎になりかけた 病院を退院したばかりの頃、自宅のリビングとトイレ・浴室の温度差が原因で肺炎を再発させそうになりました。(母・70代)
●寒さで体が思うように動かせない! 起床時、寒くて体がこわばり、思うように足が出ずにベットから落ちそうになることがたびたびあります。(父・70代)
リビングを一歩出ると身震いするような寒さ。
実は、その「温度差」によって、私たちの体は大きな衝撃を受けています。こうした温度差によって脈拍や血圧が上昇し、心筋梗塞や脳卒中といった恐ろしい疾患を引き起こすことも。浴室や廊下にも暖房器具を置き、室内の「温度差」を減らすと同時に、気温の高い昼間に入力するなどの工夫を呼びかけて。
心臓病や脳疾患で亡くなる人の指数をグラフにすると、冬にその数がグンと増えていることがわかる。冬は室内の温度差が大きく、ヒートショックを起こしやすいことも大きな要因の一つであると考えられています。
事故の起こりやすい階段や玄関はもちろん、実はコードや、カーペットのへりなど、わずかな段差が転倒の原因に。「少しくらい…」の油断が大きなけがにつながることも!
「オヤノコト」会員からの声
●ホットカーペットの段差で転倒! ホットカーペットのへりにあるわずかな段差につまずき転倒。顔面から倒れてしまいケガをしました。(母・80代)
●こたつのコードで転びそうに 急な来客や電話などがあると、慌てて立ち上がり、こたつの電気コードに引っかかって転びそうになります。(父・70代)
●小さな段差で毎年転びそうになる 転倒防止にガスストーブのホースをじゅうたんの下に入れたが、そのわずかに盛り上がった部分に足を取られて転倒する。(母・70代)
年齢を重ねて足・腰が思い通りに動かなくなってくると怖いのが転倒とそれに伴うケガ。階段や玄関など段差の大きいところはもちろん、実はカーペットや電化製品のコードなどほんのわずかな段差が事故の原因になることも。リビングや台所なども「慣れた場所だから…」と油断せず、危険と思われるポイントを取り除いていくようにしましょう。
室内で段差があるところ…と聞いて真っ先に思いつく階段。しかし、実際に家庭内で起きる不慮の救急事故は、その7割以上が居間で発生しています。
「段差がない」と油断せず、小さな段差にも気を配ることが重要です。
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