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認知症は「音」で予防できる⁉ 世界各国で注目&研究が進む「ガンマ波」をわかりやすく解説!

画像はイメージです

記事の発言・監修・ライター
「オヤノコト」編集部 ライター
大野ルミコ(Rumiko Ono)

現在、80代の母親と同居するリアル「オヤノコト」世代。聴こえの衰えや唐突に前後する会話に母親の“年齢”を実感しつつも「まだまだ元気そうだし…」と、趣味である野球観戦やライブ遠征に備え、食べるための「歯」・元気で過ごすための「足」の健康維持に励む日々。

目次

今や日本人の国民病ともいわれる「認知症」。対策や治療法に関する研究が進み、今は早期発見・早期治療によって進行を遅らせることもできますが、「もしかしたら将来……」と不安に感じている人も多いのではないでしょうか? 

そこで今回、認知症の予防・改善につながる可能性が指摘され、研究が進む「ガンマ波」について「オヤノコト」編集部が調査しました!

2040年には「6.7人に一人が認知症」と診断される時代に⁉

性別に関わらず、高齢になるほどリスクが高まるといわれる認知症。厚生労働省の調査※でも、2040年には65歳以上の約15%、なんと6.7人に一人が認知症と診断される可能性があると予測されています。

人生100年時代。いつまでも元気に健やかに過ごしたいですよね

そのため今、認知症、特に全認知症の6~8割を占めるアルツハイマー型認知症に関するさまざまな研究が日本はもちろん、世界中で進められています。発症や進行を止めるための新薬の研究・開発、予防のためのアプローチ……そうしたなかで、40Hz周期の音や光の刺激によって「ガンマ波」という脳波を促し、「アルツハイマー型認知症の予防・改善をめざそうという取り組みが注目されていることをご存じでしょうか。
※厚生労働省「認知症及び軽度認知障害(MCI)の高齢者数と有病率の将来設計」(2022年度)より

「40Hzの刺激」がなぜ認知症予防・改善につながるの?

この研究は、2019年、アメリカ・マサチューセッツ工科大学(以下、MIT)によるマウスを使った実証実験により「40Hzの光や音で脳を刺激すると、アルツハイマー型認知症の要因となるといわれる脳髄液中の「アミロイドβ濃度」が低減、認知機能障害の改善が見られたという結果が発表されたことに端を発しています。

脳の神経細胞は、外部からのリズムに合わせて「同調」する性質を持っています。そのため1秒間に40回のリズムを刻む40Hzの音や光の刺激によって、脳の神経ネットワークが「40Hzのガンマ波」というリズムで動き始めるのだとか。

「ガンマ波」とは、脳の活動に伴う電気的な変化を示す脳波の一つで、記憶や学習、集中力といった脳の働きを支えており、認知機能が低下した人の脳内では発生が減少することが分かっています。そこで「40Hz」の周波数の音を取り込み、記憶や注意力に深くかかわるガンマ波の発生を促すことで、認知症の発症予防や改善につながるのではないかとの仮定のもと、今、世界各国で研究が進められているのです。

ガンマ波は学習や記憶といった脳の働きを支える大切な役割をしています

アルツハイマー型認知症は、加齢や生活習慣、ストレスなど、さまざまな原因によって脳内に「アミロイドβ」という異常なたんぱく質が蓄積し、脳が委縮することで発症するといわれています。つまり、このMITによる研究発表は、「40Hzの音や光で脳を刺激し、ガンマ波を発生させることでアルツハイマー型認知症の原因となるアミロイドβの発生・蓄積が抑制できる可能性がある」ということ! 日々の生活の中で「40Hzの光や音」を取り入れるようにすれば認知症の発症予防や改善ができるかもしれないのです。

アカゲザルによる実証実験の結果、ガンマ波への注目度がさらにアップ!

とはいえ、このMITによる発表は、あくまでもマウスに対しての実証実験の結果であり、脳の構造が大きく異なるヒトへの効果や有効性に関しては懐疑的な声もありました。

しかし、2026年1月に中国科学院になどに所属する研究者が、「40Hzの聴覚刺激を与える効果」をヒトに近い霊長類であるアカゲザルを用いて実証し、その結果を報告。検証の結果、「40Hzの聴覚刺激が脳内に溜まったアミロイドβを排除し、脳脊髄液へと押し流した可能性が高い」という、マウスを使った実証実験とほぼ同じ結論に達し、「40Hzの刺激によってガンマ波を発生させることで、認知症の予防・改善につながる」という可能性をさらに後押しすることになりました。

「40Hzの音刺激」が自分らしい、明るい未来をサポートしてくれるかも!

また同時に、マウスよりもアカゲザルのほうがその「効果」が長く持続することも判明。先進国を中心に急速に進む高齢化の波と相まって、「ガンマ波」への注目度はさらに高まっているのです。

毎日の生活に「40Hz」の刺激を取り入れよう!

「オヤノコト」相談室には親御さんが認知症と診断されたという方も多くいらっしゃいますが、認知症を発症するきっかけは本当にちょっとしたことから。決して他人事ではありません。気づいたら親御さんやご家族が自分の顔も名前も忘れてしまった、なんてことを想像するだけでも悲しいですよね。音や光による40Hzの刺激を受けるだけで、認知症の予防や改善が期待できるのであれば「やってみたい!」という方も多いのではないでしょうか。

高齢の親や自分、家族の認知症予防ができるなら取り入れてみたいかも!

「40Hzの刺激」とは、1秒間に40回という周波数で発せられる音、光、または振動のこと。非常に高速なスピードでの刺激になりますので、一般的なスピーカーや照明で個人が作成し、使用するのは困難であるため、今は光や音で40Hzの音や光を取り入れることができるWebサイトや専用アプリなども次々に開発・発表されています。

なかでも今、人気となっているのは、音の波形を40Hzの周期で変調させた「ガンマ波サウンド」を生活に取り入れる方法。テレビに取り付け、いつもと同じように視聴するだけで40Hzの刺激を受けられる、というスピーカーやイヤホンも登場しています。

テレビの音を「ガンマ波サウンド」に変え、認知症予防が可能な時代に!?

まだまだ研究段階で「これから」の技術ではありますが、新たな研究結果が発表されるたびに発展への期待度&可能性が高まっている注目のテクノロジー。いつまでも穏やかで自分らしい暮らしを過ごすためにも、「40Hzの刺激」を毎日に取り入れてみてはいかがですか?

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