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第5回:「オヤノコト」スタッフ50代、対象者(母親)80代
雑誌、Web広告などを中心に幅広く活動中。現在、80代の母親と同居するリアル「オヤノコト」世代。聴こえの衰えや唐突に前後する会話に母親の“年齢”を実感しつつも「まだまだ元気そうだし…」と、趣味である野球観戦やライブ遠征に備え、食べるための「歯」・元気で過ごすための「足」の健康維持に励む日々。
今回は、引き続き「オヤノコト」スタッフ大橋優子(51歳)母親の入院・手術と家族のお金に関する体験談をご紹介します。公的医療保険や高額療養費制度のおかげで、母親の乳がんの検査や入院、手術にかかる医療費負担を想像以上に抑えることができ、ホッと一安心——とはいえ、やはり「これはやっておくべきだった」と感じることもたくさん! そんなリアルな“本音”をお伝えします。
前回、貯金もなく、医療保険にも未加入の母に乳がんが発覚し、入院・手術を受けた――というところまでお話ししました。今後は、放射線治療のための通院が続くこととなります。まだまだ治療の途中ではありますが…ここまでを振り返って、思ったこと、やっておくべきだったと後悔したことなどを、お伝えしたいと思います。
まずお伝えしたいのは、わが家のように親の貯蓄がない、医療保険にも加入していないという場合でも、親が病気になった時、治療費や入院費などの高額な医療費を子どもが負担しなくてはならない…というわけではないということ。
まず(現役並みの所得がある方を除き)75歳以上の高齢者の医療費は1割負担、70歳~74歳は2割負担なので、私たち「オヤノコト」世代の医療費よりも基本、安価です。また、入院や手術を受けるなどさらに医療費の負担が大きくなる場合には「高額療養費制度」を利用すれば、さらに負担を減らすことができます。これらを利用すれば、保険適応外の治療を選択する、入院時に個室を選ぶといったことがない限り「高額すぎて医療費が払えない!」という状況にはなりにくいと感じています。
だから「治療費が払えないから病院に行かない」というのだけは避けてください。早めに受診して早めに治療する。それが一番の医療費軽減につながります。
親がどこの保険会社のどのような保険に加入しているのか、これは絶対に「親が元気なうちに」確認しておくべきです。「親の保険に口出しするなんて…」と遠慮しないでください。その遠慮は高い確率で後悔につながります。
今の60~80代が現役世代の時、つまり今から30~40年前に主流だった医療保険は「長期入院の保障」を重視したタイプが多く、通院の保障が手薄で、今の医療の現状にそぐわないものが少なくありません。また、「入院保障は5日目以降から」というものも普通に存在します。それだとせっかく保険に加入していても、今回の母のように3日間で退院…となれば保障は受けられません。また、かつては「営業にいわれるまま」「親戚や友達に勧められるまま」保険に加入…なんてこともたくさんありました。そのため、どんな保障が受けられるのかを本人すら把握していないというケースも多いのです。必要のない契約に高額な保険料を払い続けていないのか確認してください。手薄な保障に驚いて、見直しや切り替えをしたいと思っても、親が高齢になればなるほど条件が厳しく、難しくなってしまいます。ましてや、わが家のように既に持病があるとなれば…加入を諦めざるを得ない場合も少なくないのです。
前回、高額療養費制度を利用すれば、月の自己負担上限額を超えた分は戻ってくる…とお伝えしましたが、中には「たとえ一時的だとしても、大きな金額を支払うのは厳しい」という方もいらっしゃるでしょう。正直、わが家もそうでした。それなら親の保険証を「マイナ保険証」に切り替えることをお勧めします。私たちはそれを知らず、手続きをしていなかったため、一時的に6万円を超える入院費を支払うことになってしまったのです。
もし、親がマイナンバーカードを作成しているのであれば、それを持って医療機関や薬局、コンビニなどに行けば、すぐにマイナ保険証への移行手続きができます(手続きのやり方はこちらを参照ください)。そして受診する医療機関でマイナ保険証を提示し、顔認証または暗証番号で本人確認し、画面の案内に従って情報提供の同意を行えばOK。高額医療費制度が自動的に適用されるので、月の支払いが自己負担額以上になった段階で支払いが免除されます。
個人情報の流失が…などいろいろ言われているマイナンバーカードやマイナ保険証ですが、病院にかかる機会が増えること、大きな医療費がかかる治療を受ける可能性が高まることを考えた時、高齢の親の保険証は、マイナ保険証に切り替えておいた方がメリットは大きいと感じます。確かに「マイナ保険証(オンライン資格確認)」のシステムを導入した医療機関でないとこうしたメリットは受けられませんが、今回、さまざまなクリニックや病院へ行ってみて、比較的高額になる専門的な検査や治療、入院や手術を行う医療機関であれば、ほぼマイナ保険証に対応しているという感じでしたのでそんなに心配はいらないのかな…と思います。
今回、母が入院・手術を受けるような治療をしましたが、80歳を超え、医療費の自己負担が1割だったこと、高額療養費制度を利用することができたことで、心配していた医療費も「その後の家計に影響するような負担にはならなかった」というのが結論です。
ただ、検査の中には自己負担のものもありましたし、病院に通う際の交通費、入院時の食事代や差額ベッド代、傷口を保護するためのテープ代、入院・手術に必要といわれ用意した下着類…といった代金は、当然、自分たちで負担するしかありません。一度の支払いはわずかでも治療期間が2か月、3ヶ月と長くなれば、痛い出費になっていきます。また、今後、高齢者の医療費の自己負担額を引き上げる…という話もありますし、いつまでも今の公的医療保険の恩恵を受けられるとは限らないと思います。
かつてわが家は「十分な日額保障が受けられない」と、母親の保険加入を諦めましたが…実は、あの時「最低でも入院は日額1万円、通院は日額5千円」と、現役世代並みの保障額にこだわって探していました。今思えば、もっと安い保障金額のものでもいいから加入しておけば良かった…と後悔しています。それなら毎月の保険料だって払い続けられる範囲に抑えることもできたのではないかと思うのです。すべて自分たちで決めようとせず、プロに相談するなどの行動を起こすべきだったのかもしれません。
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今回、親の入院・手術を経て感じたこと、リアルな経験をお伝えしました。
親はもちろん、自分たちの病気やケガも、本当に予期せぬ時に突然やってきます。正直、焦ります。もちろん、きちんと治療して元気になって欲しい。でも親には貯蓄も保険加入もない…という現実に、ついお金の心配をしてしまう――できる限り、私たちの葛藤を母には見せないようにしていたつもりですが、たぶん、治療を受けながら、母も常に不安だったろうなと思うのです。今は元気でも、年齢を重ねていく中で、大なり小なり必ず病院のお世話になることが出てくるはずです。その時に備えて、ぜひできることから少しずつ準備をしておきましょう。そして家族全員が不安なく治療に取り組める環境を整えていって欲しいと思っています。
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例えば、「離れて暮らしている高齢の親のことが心配」「親の住まいはどうする?」という問題を解決しようとすると、「自分の親に適したサービスは?」「お金の準備は?」「空き家になった実家はどうする?」と、次々に連動した新しいお悩みが出てくるもの。
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