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バリアフリー・ライフを応援する生活情報誌「WE’LL(ウィル)」創刊。その後、高齢者社会にスポットを当てた「オヤノコト」をキーワードとしたフリーペーパー、メディアサイトの運営を行っている。
人生100年時代、高齢になっても車のハンドルを握り続けたい人(ハンドルを握らざるを得ない人)も少なくないだろう。
内閣府の資料によれば、70歳以上の運転免許証保有者は2019年時点で1195万人であり、運転免許証保有者全体の14・5%を占めているという。高齢ドライバーは年々増え続けているのだ。
だが、同時に75歳以上のドライバーの死亡事故も増えているのはいうまでもない。
少々驚いたが、警察庁の調査によれば、75歳以上で死亡事故を起こした高齢ドライバーの約40%にあたる人が認知機能検査で事前に「認知機能に問題あり」と判定されていたことも分かっているという。
アクセルブレーキ踏み間違えや、逆走、暴走など、運転の能力の低下が原因と思われる事故がその大半だろうが、75歳以上の高齢ドライバーには認知機能検査が義務付けられているにも関わらず、認知機能に問題がありと判断されている人がハンドルを握らざるを得ない環境にあることは何ともいえない。
今や地方は過疎化が進み、公共交通機関の不備が底流にあるのではないかとも考えられるが、だからといってそういった地方で公共交通機関を充実させるということはそう簡単な問題でないだろう。
とすると、やはり自動運転車など、より安全な車の普及に期待したいところだ。
前述したように、高齢ドライバーの死亡事故の増加を踏まえて、来年からは高齢者を対象とした免許更新時の実車試験が新たに導入される予定とのことだが、これは違反や事故を起こした高齢ドライバーに課せられるもので、これに合格しないと、その先の認知機能検査には進めず、免許の更新ができなくなるという。
だが、それと並行して安全運転サポート車(サポカー)の限定免許の創設も検討されているとのことで少し安心した。これならば、まさに実車試験に合格しなかった高齢者でも、サポカー限定免許を取得することで運転を継続できる可能性が残されるのだ。サポカーに買い替えるにはお金がかかるが、昨年3月に政府は「サポカー補助金」を創設している。
人生100年時代、ハンドルを握り続けたいが、事故もこわいし・・・というのが本音あろうが、サポカーや自動運転車が普及すれば、そういう懸念も払拭されるだろう。今後の展開に期待したい。
=本記事は、夕刊フジに連載しているものです。
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