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バリアフリー・ライフを応援する生活情報誌「WE’LL(ウィル)」創刊。その後、高齢者社会にスポットを当てた「オヤノコト」をキーワードとしたフリーペーパー、メディアサイトの運営を行っている。
私のオフィスでは、相続や家族信託の相談(「オヤノコト」相談室)を承っているが、最近飛び込みで相談に来られる人も増えた。
なぜなら相談室はJR市ケ谷駅から近く、バス通りに面した建物の1階にあり、簡単なショールーム(便利グッズなどの展示など)と小型のセミナールームを併設していることから、入り口に「相続・家族信託の相談を承ります」という張り紙がしてあるかららしい。
ただ、飛び込みで来られる相談者の多くが「以前から前を通っていて気になっていたので」「いよいよ親が介護状態になりつつあるので」という。そして、近隣の方ではない方が大半だ。
今やIT化が進み、いつでもどこでもスマホで検索ができる時代だ。「相続」「家族信託」などのキーワードを入力すれば、多くの税理士法人やコンサルタント会社が出てくるのだから、自宅に近い所を探した方が何かと楽なのではないかと思うのだが、なぜか電車で1時間以上かけて相談に来られる、70代や80代の親世代もいる。
つまり、今や消費者、特に中高年層は企業の広告やウェブでの検索結果をあまり信頼していないということだ。それはそうだろう。高齢化と人口減少の影響で、国内のマーケットは、ありとあらゆる分野で急速に縮小してくるのだ。
そんな中、高齢世代はお金を持っていて人数も多い。となれば、その人たちに向けて商売しようと思うのは当然だろう。
それ自体は悪いことではない。ただ、単にビジネスとして儲(もう)けだけを追うような仕事をしていたのでは軌道に乗る訳がない。その点は事業者側も肝に銘じておくべきだ。
私も常々言っていることだが、これからの時代、自分や親の老後の住まいやお金に関わることを任せる先は、慎重に選ぶのがとても重要だ。
派手に広告しているからといって、いい仕事をしてくれるわけではない。相談先が単に儲けようとしているのか、それとも真面目にコツコツと仕事を継続してきたのかを、しっかりと見極められるか。それこそが大事である。
=本記事は、夕刊フジに連載しているものです。
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