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バリアフリー・ライフを応援する生活情報誌「WE’LL(ウィル)」創刊。その後、高齢者社会にスポットを当てた「オヤノコト」をキーワードとしたフリーペーパー、メディアサイトの運営を行っている。
老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅について語ることが多いが、先日も八王子まで出向き、ある老人ホームを見学してきた。施設長からホーム概要や、運営に際しての心構えや想いなどのお話を聞き、その後、館内を見て回り、昼食もいただいた。
あらためて感じたのは、「現場」を見ることは、ウェブやパンフレットなどを見るよりも数十倍、いや、数百倍大事だということである。つまり、「百聞は一見にしかず」ということ。 仕事柄、老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅を訪ねることは多いが、そもそも、私自身この仕事をするまでは、「老人ホームは介護が必要になった親を仕方なく入居させる施設」くらいの非常にネガティブなイメージしかもっていなかった。
ところが、老人ホームには元気なうちから入居して健康寿命を伸ばし、安心して暮らせる自立型というホームがあることも知ったし、それ以上に老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅(サ高住)には、運営者の志(想い)がどれだけ反映され、具現化できているかが非常に重要であることも知った。 以前、ある老人ホーム評論家の先生とお話しした際に、「老人ホームは人徳産業である」と力説されていたことを今でも鮮明に頭に残っているが、まさに言い得て妙である。
巷には老人ホームの検索サイトや紹介会社も多数あるが、その中には掲載されている老人ホームを実際に見学し、施設長や経営者と面談したことも無いと言うところも多いらしいと聞く。
私に言わせれば、高齢期の親あるいはご自身にとっての人生の終の棲家を探ししている人に情報を提供するのに、発信者が現場に行かずして預かった写真や原稿だけで情報提供すること自体に疑問を呈さざるを得ないが、先の「老人ホームは人徳作業である」という言葉を借りれば、それこそ自身の眼でしっかりと確認しなければ、その人徳など知る由もないだろう。
さて、話を戻すが、私が訪ねた八王子の老人ホームは最寄りの駅から送迎バスで5~6分の高台にある。一般的に考えれば「不便な場所にあるな」が第一印象であった。
しかしながら、施設長の話によれば、経営者の方は「従業員満足が第一だ」を常に口にしていて、例えば夏休みに従業員の子どものためにイベントを企画したりもするということだし、食堂も外部委託でなく雇用したスタッフが提供しているが、その食事の味などについても、何かあればすぐに食堂の責任者にコメントするそうだ。
また、私が見学している際も、食事も接遇もアットホームさを空気で感じることができた。 これから親のための老人ホームを探すことがある人は、実際に見学して、自分が大切に思っているポイントを見逃さないようにしてほしい。
=本記事は、夕刊フジに連載しているものです。
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