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バリアフリー・ライフを応援する生活情報誌「WE’LL(ウィル)」創刊。その後、高齢者社会にスポットを当てた「オヤノコト」をキーワードとしたフリーペーパー、メディアサイトの運営を行っている。
先日、以前からお世話になっている某中堅企業の創業者の社長とお話しする機会があった。 現在60代半ばで、国内だけでなく、海外まで飛び回る日々を送っている。常々「歳をとって介護が必要になっても子どもの世話にはぜったいにならない」が口癖だ。
雑談しているうちに「老人ホーム」の話題になった。 今はお元気で、奥様とマンション暮らしを送っているが、先々の事も気になるらしい。とは言え、老人ホームについての知識はまったく無く、「●●っていう老人ホームは、知り合いから良いって聞いたけれど実際はどうなの?」と聞かれてびっくりしたのは、それは某大手老人ホームのことであまり良い評判を聞かないところだったからだ。
すかさず私は、「それ、聞き違いじゃないですか?●●ではなく、○○ではないですか?」と聞き返したが、「そうだったかもしれないな」と曖昧。 よくよく聞いてみると、私が指摘したとおり違うホームであることがわかった。 その後も、「◎◎はどうなの?」と聞かれた老人ホームは、私が以前取材で訪れたことがある老人ホームだったので、良いところも、どうかな? と思ったところも、ありのままにお伝えしたら、「やっぱり信頼できる情報が欲しいよね」「カタログやウェブサイトだけじゃ素人にはわからないよ」と最近よく耳にする言葉が・・・。
以前あるところで聞いた話では、老人ホームの7割~8割が悪質な業者であると断じていた。 だが、私はそうは思っていないし、実際に見学してみてもそんな状況ではないと感じている。 だが、私どもに相談に来られる人の大半が、苦い経験をされ、失敗している方がいるのも事実だ。 親を地方から呼び寄せ、老人ホームに入居させたのは良いが、その後「条件が違うのでは」「対応をもう少しよくしてほしい」と話をしてもなかなか改善されず、結果退去させて、別のホームに転居したという話も少なくない。高齢の親の立場からすれば、嫌な思いをして、結果また転居というのは精神的にも肉体的にも辛いことは想像に難くない。さらに、子どもに心配や負担をかけまいと我慢してしまうケースもあるだろう。
ネガティブな事ばかりで述べるのもどうかと思うが、在宅であれ、施設であれ、自身で事前に知識を得ておくことも、信頼できる情報源を見つけておくこと、そして親の意向を確認しておくことも「転ばぬ先の杖」なのである。
=本記事は、夕刊フジに連載しているものです。
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