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バリアフリー・ライフを応援する生活情報誌「WE’LL(ウィル)」創刊。その後、高齢者社会にスポットを当てた「オヤノコト」をキーワードとしたフリーペーパー、メディアサイトの運営を行っている。
人生100年時代、これからは自動運転車や運転補助機能がAIなどの発達でますます身近になることは間違いないだろうが、そういう車が普及するにはまだ時間がかかることは言うまでもないだろう。
そんな昨今、高齢者ドライバーの事故は大きな社会問題となっている。昨年は多くの高齢ドライバーの事故が報道され、東京・池袋で起きた大きな事故をきっかけに免許返納する高齢者が増えたという。
現に弊社を訪ねる高齢の親を抱える40~50代の悩みの中でも、この免許返納問題についての相談は少なくない。「親に運転免許証の返納を勧めたらけんかになった」という人も多く、家族間のトラブルにもつながりかねないから家族にとっては深刻だ。
2015年に警察庁が75歳以上の高齢ドライバーを対象に調査した結果をみると、返納理由の一番多くは「家族の勧め」で33%となり、「運転に自信がなくなった」などの自主返納を上回っている。ただ、継続して運転している高齢ドライバーの約70%は「返納しようと思ったことはない」と回答しているのが現実だ。
もちろん高齢者だからという理由で「運転が不安」=「免許返納すべきだ」と考えるのはどうかと思うが、データで見ても、75歳を過ぎると要介護認定率も上がり、身体や認知機能に影響が出始めることも認識しておくべきだ。「自分は大丈夫」と思っていても、何かが起こってからでは遅いのである。
だが、公共交通機関が乏しい地方では、車は買い物や通院に欠かせない必需品だという事情もある。
そこで、まずは家族でしっかりとコミュニケーションをとることが重要になる。地域のバスやタクシーの割引制度があるかなどを調べて提案する、あるいは市販されている後付けのアクセルブレーキ踏み間違い防止装置やドライブレコーダーなどを調べてみたらどうだろう。
「車が趣味で運転が好きだから難しい」という場合は、例えばだが地域のボランティア活動などへの参加を促したり、バス旅、鉄道の旅などを勧めてみたり、写真を撮ってきてもらうなど、趣味を増やしてもらうのも一つの手であろう。
つまり関心を車以外へと向けていくのだ。
いずれにしても、家族間でしっかりと話し合い、事故やトラブルのリスクを最小限にしておくことがポイントである。
=本記事は、夕刊フジに連載しているものです。
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