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バリアフリー・ライフを応援する生活情報誌「WE’LL(ウィル)」創刊。その後、高齢者社会にスポットを当てた「オヤノコト」をキーワードとしたフリーペーパー、メディアサイトの運営を行っている。
弊社では老人ホームなどの相談を中立的な立場で行っているが、最近では住まいのこと以外に、相続などの家族との関係にも関わるご相談も増えている。
そもそも、インターネットで検索ワードを入れれば、老人ホームだろうが、相続だろうが、さまざまなサービスサイトなどが露出するのだが、当の40~50代の(親の住まいや相続のことかなどが気になる)世代が意外とそれらのウェブサイトを認知も利用もしておらず、親ともそういう話題にはお互いに触れないようにしているような雰囲気がある。
つまり、弊社に相談に来られる人は大抵が70~80代の高齢世代であることの方が多く、40~50代の子世代は決して多くない。やはり、相続などのセンシティブな家族の問題については親も子も先送りしてしまう傾向があるのだろうか・・・。
だが、後回しにしておくことで相続が「争続」になるというリスキーな話は枚挙にいとまがない。仲の良かった兄弟が絶縁するケースなど、決して大富豪やドラマの世界の話ではないのだ。
実際にあった話だが、東京都下で母親と長く同居していたAさん(70代)は、母親が亡くなり10年以上たってから実弟から「法定相続分の2分の1として家の権利を渡せ」と言われたという。
そこで、母親が亡くなって時間がたっていることや、実家は自分が継いで居住しているので難しいと回答したが、それでも、「実家を売却して、売却価格の2分の1を渡せ」と求めてきたというのだ。
当然、それも断るといきなり家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てられ、裁判所からは「民法にのっとって実弟に2分の1の相続権がある」と指摘され、最終的には(実家を売却した場合に得られるであろう価格の2分の1の)代償金を支払わされたというのである。
まさに、民法では遺産分割に期限が設けられていないため(遺産分割協議が整っていない場合)10年以上経っていても遺産分割協議ができるということなのだ。
だが、このようなトラブルは人ごとではない。きょうだいが絶縁するような「争続」は、これから増えると思われる。
それを回避するためには、早い段階から親子、家族で将来のことについてコミュニケーションを図ることだ。
=本記事は、夕刊フジに連載しているものです。
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