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バリアフリー・ライフを応援する生活情報誌「WE’LL(ウィル)」創刊。その後、高齢者社会にスポットを当てた「オヤノコト」をキーワードとしたフリーペーパー、メディアサイトの運営を行っている。
人生100年時代、老後を安心して暮らしていくには2000万~3000万円が必要ともいわれるが、新型コロナウイルス感染症の影響を視野に入れたとき、本当にその蓄えで大丈夫だろうか。
コロナによる経済への影響は2022年頃まで続くのではないかといわれているが、経済活動が長期にわたって停滞すれば、中高年層にとっては働く機会も制限され、年金以外の定期収入がないにも関わらず、必要以上に支出が増える可能性も十分に考えられる。
そんな状況下だから、「高齢になって年金や蓄えだけで生活するのは不安だ」と思い詰め、ついつい投資的な話に乗ってしまうかもしれない。だが、そういう不安心理を突いてくるのが詐欺集団の常套(じょうとう)手段だから注意が必要だ。
今回、私が注意を促したいのが「土地測量詐欺」。
これは、ある日突然不動産屋から電話が入り、「あなたの家を買いたい人がいるので自宅にうかがってもいいか?」といわれ了解すると、当日、不動産屋、買いたいという人、測量士の3人で現れ、買いたいという人はその地域の相場以上の価格での購入を持ち掛けるというものだ。
もちろん、これは詐欺の入り口。相場以上で買うと言われれば、誰でもこの話に前向きになり、なんとか話をまとめたいと思うだろう。つまり、このチャンスを逃すまいと冷静さを欠いてしまう可能性がある。
だが、土地測量詐欺士集団の思う壺、心理作戦なのだ。
冷静さを失っているところに、おもむろに測量士が「土地の境界線をはっきりしておく必要があるので測量させてほしい」と切り出し、了解すると、後日高額な測量代が請求されるという単純な詐欺の手口だ。
もちろん、測量を切り出されたときは「相場以上で売れるのだから、多少の出費は仕方ない」と了解してしまうのだが、測量代を払ってしまうとその後、土地購入希望者も不動産屋もまったく連絡取れなくなるという典型的なやり方である。
家や土地を売ってまとまった資金にしておこうとする人も増えているが、このような土地測量詐欺に引っかかってしまわないよう、注意してほしい。
=本記事は、夕刊フジに連載しているものです。
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