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バリアフリー・ライフを応援する生活情報誌「WE’LL(ウィル)」創刊。その後、高齢者社会にスポットを当てた「オヤノコト」をキーワードとしたフリーペーパー、メディアサイトの運営を行っている。
昨年11月に「ぼけますから、よろしくお願いします。」というドキュメンタリー映画が公開されたことを知っている読者も多いだろう。この映画が、今年の10月に文化庁映画賞で「文化記録映画部門」の大賞を受賞した。
このドキュメンタリーはDVDや書籍にもなっているので、「人生100年」を考える上で、ぜひ見て、読んでほしい作品だとお勧めしたい。
さて、あらためてストーリーを説明すると、広島県の呉市で育った監督の信友直子さん(ドキュメンタリー制作を主とするテレビのディレクター)は45歳の時に乳がんで闘病、それを支えてくれた母親のおかげで無事生還した信子さんは、これをきっかけに母親と父親の記録の映像を撮り始める。
しかしながら、その後、母親に微妙な変化が生じ始める。つまり、母親にアルツハイマー型認知症が発症し、90歳を超えた父親が80代後半の母親を介護するという老老介護が始まるのだ。
ユーモアにあふれ、社交性もある母親にとって、自分がおかしくなっていることに気づきつつも苦悩し、ヘルパーが家事をすることにも抵抗感を示す。家事は自分の領域、家族のために何かをしてあげるどころか、何かをしてもらうことに耐え切れず、自暴自棄になってしまう。
そして、それまで家事を一切したことがなかった父親が95歳になって料理を作り、スーパーに買い出しに行き、ごみ出しをする、そういう日常の姿を映し出している。
そんな社会課題を浮き彫りにしつつも、どこか温かい夫婦、親子の愛情を感じ、人が生きるということを考えさせられる映画になっていると思う。
まさに、この連載は「人生100年 これから、どうする」というテーマで書いているが、95歳の父親と87歳の母親の暮らしぶりをみるにつけ、100年生き抜くということは「100歳まで生き抜く覚悟があるか?」ということを問われているのだろうと、あらためて痛感した。
これからの時代、100年をどう生き抜くか? この作品を参考にしてほしい。
=本記事は、夕刊フジに連載しているものです。
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