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バリアフリー・ライフを応援する生活情報誌「WE’LL(ウィル)」創刊。その後、高齢者社会にスポットを当てた「オヤノコト」をキーワードとしたフリーペーパー、メディアサイトの運営を行っている。
先日もNHKで首都直下型地震について取り上げられていたが、日本、特に都市部のマンションなどでは、隣に誰が住んでいるかも無関心であり、いざという時の助け合いがどこまでできるか不安だという。
人生100年時代をどう生き抜くかを考えるうえで、まさに「コミュニティーの崩壊状態のまま大きな災害が起こったら」と空恐ろしいと思うのは自分だけではないだろう。
高齢化の影響で人口減も東京や都市部でも例外ではなくなってくることは周知の通りだが、そんなこれからの時代、「人生100年を生き抜く」ということを真剣に考えれば「お金があれば何とかなる」という考えだけでリスクを解消できないことは間違いない。
以前も書いたが、老後の不安の上位は「お金」「健康」が占めるという某民間企業の調査結果があるが、「老後のお金2000万円問題」で「老後のお金」が不安になった人も多いのは分かる。
しかしながら、「お金」だけ確保していても、前述のような事態になった時には解決しないこともあることは言うまでもない。
つまり、私が思うに、今手を付けておかねばならないことは、コミュニティーの復活であり、老若男女問わず、人と人が支え合えるネットワーク作りではないだろうか。
そこで、ひとつのヒントは「こども食堂」にあると思う。
こども食堂とは、子供だけでなく大人も一緒に参加して、食事をするだけでなく、イベントを楽しんだり勉強を教えてもらったりと、年齢や性別を問わないコミュニティーの場となっている。
先日もある報道番組で、シニア層の利用者が子供たちと触れ合い、笑顔で「ここに来るのが楽しみ」と答えていた。
いまや全国に4000カ所近いというこども食堂。その起源は定かではないようだが、実態としては2010年代になってから名前が使われ始めたようで、今や地元の人たちの支え合いの場として、その地域を確立している。
オヤノコトネットの中心は40代から上の世代が多いと思うが、人生100年時代を安心して、自分らしく、生きていける社会を形成するためには、こういったコミュニティー作りにも関心をもち、可能であれば参加したり、支援することも大事なことなのではないかと思う。
=本記事は、夕刊フジに連載しているものです。
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