40歳を過ぎたらオヤノコト

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高齢者施設と防災

記事の発言・監修・ライター
尚宏 大澤
「オヤノコト.マガジン」編集長大澤尚宏氏

バリアフリー・ライフを応援する生活情報誌「WE’LL(ウィル)」創刊。その後、高齢者社会にスポットを当てた「オヤノコト」をキーワードとしたフリーペーパー、メディアサイトの運営を行っている。

先日、ある有料老人ホームを見学したのだが、施設担当者から「先般の台風で2日間停電したんですよ」と聞いた。
もちろん、非常用の自家発電装置は作動したとのことだが、本来火災などの緊急時のためのもので、長時間の停電を想定したものではなかったとのこと。
私としては、(高齢者の住まいであることを鑑みて)自家発電装置があって数日間は問題なく生活できるような配慮がしてあるものと思っていたので、驚くと同時に危機感を抱いた。 今回見学したこのホームは入居時自立型なので、自炊できるよう居室にミニキッチンがついている。
ところが、停電になると電磁調理器は使えない。冷蔵庫の食材もダメになり、入居者は自炊もままならない状態に陥ったらしい。幸いガスはストップしていなかったので、ホームで食事は提供できたが、照明が落ちているため、大浴室の使用については取りやめたという。 2011年の東日本大震災のときも、大手の事業者が運営している施設は、系列施設や本部から大量の物資を運ぶことができたが、地元事業所が運営する小規模の施設は物資不足で、供給する手段に苦労したのだそうだ。
そのような前例があるのだからこそ、施設事業者は万が一の備えをもっとしっかりとしておくべきであろう。
以前取材した大手住宅メーカー系のサ高住では、太陽光による蓄電池システムを導入しており、災害時は電気自動車から建物に電気を供給できるようになっていた。さらに、地域の防災拠点として機能させる予定であるという担当者の話を聞いて、地域に貢献しようとしている、意識の高さに感動したことを覚えている。
近年のように災害が多発し、被害が顕著になってくると「災害に強い施設」「地域の災害時に貢献できる施設」というのは大きなポイントになってくるかもしれない。親の老後の住まいを探す際には、このような視点も必要になって来ているではないだろうか。
=本記事は、夕刊フジに連載しているものです。

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