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高齢期の一人暮らしのリスクを回避する(その2)

記事の発言・監修・ライター
尚宏 大澤
「オヤノコト.マガジン」編集長大澤尚宏氏

バリアフリー・ライフを応援する生活情報誌「WE’LL(ウィル)」創刊。その後、高齢者社会にスポットを当てた「オヤノコト」をキーワードとしたフリーペーパー、メディアサイトの運営を行っている。

国立社会保障・人口問題研究所による推計では、2040年には高齢者世帯のうちの「単身世帯」=1人暮らしの高齢者世帯は全体の3割を超えるとされている。さらに気になる推計として、いわゆる団塊世代(昭和22~24年=1947~49年生まれの世代)がすべて75歳以上の後期高齢者となる「2025年問題」というものがある。
これらの何が問題なのか。
社会福祉費用や医療費の増大が主にクローズアップされているが、それ以外にも高齢者施設や住宅の不足、すなわち需要に対して供給が追い付かないという問題がある。
国は地域包括ケアというシステムを推進している。これは、高齢者の介護を福祉施設で行うのではなく、在宅(自宅)で行うよう推進するものだ。公的介護保険制度はそのために施行されたと言っても過言ではない。
これはもちろん、社会福祉費用の抑制という目的もあるが、それ以上に2025年問題の中でも現実的な問題である高齢者福祉施設の絶対的な不足という事態を少しでも緩和したいという狙いがある。
当欄でたびたび紹介している「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」は公的な福祉施設や介護のための施設ではないが高齢期の住まい、特に1人暮らしにおけるさまざまなリスクの回避には一定の効果がある賃貸住宅である。
また、将来の介護まで約束される「入居時自立型の介護付有料老人ホーム」という民間の施設もある。これらは事業者や運営内容の善し悪しはあるが、「良質」の住宅・施設には、すでに利用希望者が殺到している。
団塊世代は誕生時からずっと競争を強いられてきた世代だが、高齢期の良質な住まい選びにおいても競争は続いているのだ。住まい獲得競争に勝つためには、早めの行動・準備が肝要。特に1人暮らしのシニアは、元気なうちから意識すべきだ。
=本記事は、夕刊フジに連載しているものです。

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