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聴こえVol.1-補聴器について正しく理解しよう-

記事の発言・監修・ライター
尚宏 大澤
「オヤノコト.マガジン」編集長大澤尚宏氏

バリアフリー・ライフを応援する生活情報誌「WE’LL(ウィル)」創刊。その後、高齢者社会にスポットを当てた「オヤノコト」をキーワードとしたフリーペーパー、メディアサイトの運営を行っている。

先月14日に、弊社(オヤノコトネット)主催で開催した「銀座オヤノコト・塾」では、親の聴こえ(聴力低下)に悩んでいる子世代が想像以上に多かった。
「聴こえにくいが、補聴器は高いだろうと二の足を踏んでいる」「聴こえが悪いと認知症にならないか心配だ」「補聴器を購入したが、使ってくれない」など、悩みの内容はさまざまだったが、私は以前から当欄でこれらの対策を発信してきた。
まずお伝えしたいのは、補聴器について正しく理解することだ。大前提として、補聴器と集音器とは別物だということを理解しておこう。2つを混同しているのではないかと思われる子世代もいるが、注意を喚起したい。
「音が大きく聴こえる」などとして通信販売などで売られているものの多くは集音器だ。会話や電話、テレビなどの聴く対象に応じてモードの切り替えが可能なタイプもあるが、使う人の聴こえの具合に合わせて調整できるわけではない。不要な音まで大きく入ってきて不快だという人もいる。
一方、補聴器は医療機器なので、その人の聴こえの状態に合わせて細かく調整しながら使うものだ。一度の調整では、その人の生活パターンや環境に合わせることはできないので、何度か調整してもらい、よりフィットした状態にしていく機器である。
そうした理解のうえで、子世代は早いうちから親の聴こえに注意してほしい。テレビの音が大きい、聞き返しが増えた、などといった聴こえの低下を感じたら、後回しにせず、耳鼻咽喉科で聴力検査を受けることを親に勧めてほしい。
2018年度からは、補聴器相談医のいる医療機関で「補聴器適合に関する診療情報提供書」を記入してもらえば、補聴器の購入費用が医療費控除の対象となっている。その書類を持って、「認定補聴器技能者」のいる「認定補聴器専門店」に行ってほしい。
=本記事は、夕刊フジに連載しているものです。

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