40歳を過ぎたらオヤノコト

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確定申告

記事の発言・監修・ライター
尚宏 大澤
「オヤノコト.マガジン」編集長大澤尚宏氏

バリアフリー・ライフを応援する生活情報誌「WE’LL(ウィル)」創刊。その後、高齢者社会にスポットを当てた「オヤノコト」をキーワードとしたフリーペーパー、メディアサイトの運営を行っている。

確定申告シーズンだ。
サラリーマンでも医療費の還付などで確定申告書を作成・提出した経験のある人は少なくないだろう。先日、新聞に60代の男性からこんな投書が掲載されていた。「確定申告のため、高齢の母親の代理で税務署を訪れた。受付開始時間前に到着したが、すでに数十人並んでいて、1時間半待ってようやく順番がきた。申告手続きは30分ほどで終わったものの、申告終了まで2時間かかった。周囲は高齢の人が大半で、杖をついている高齢女性もいた。パソコンやスマホを使い、自宅から申告できるシステムがあっても、高齢者には難しいだろう。
もう少し、高齢者に優しい方法はないものか」。
私の知人も、施設に入っている高齢の両親にかわって確定申告をしたが、山のような医療費や介護費の領収書と何時間も格闘し、「かわりにやってくれる子どもがいない高齢者はどうするんだろう」と嘆いていたが、まさに同感だ。
病院を受診することの多い高齢者だと、領収書の枚数も種類も膨大になる。パソコンを日常的に使っている子世代でさえ、さまざまな病院や薬局の名称、使った医療費や介護費を入力するだけで大仕事なのだ。
ましてや、パソコンを使えないとなると、新聞の投書者のように、税務署まで足を運び、何時間もかけて申告するしかない。自治体の出張所などで申告する場を設けている場合もあるが、これもまた日にちが限定されていたりして使い勝手はよくない。待ち時間も長いと聞く。
申告は毎年のことだ。体力のない高齢者や介護の必要な高齢者はどうすればよいのだろうか。金銭的な内容なので、地域のボランティアやヘルパーにお願いすることはできない。対価を払って、税理士を頼むというのでは、何のための還付申告だかわからなくなる。
もはや自治体レベルの話ではない。国として、なんらかの対策を取るべきだと訴えたい。
=本記事は、夕刊フジに連載しているものです。

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