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安心して入れる施設の争奪戦は既に始まっている

記事の発言・監修・ライター
尚宏 大澤
「オヤノコト.マガジン」編集長大澤尚宏氏

バリアフリー・ライフを応援する生活情報誌「WE’LL(ウィル)」創刊。その後、高齢者社会にスポットを当てた「オヤノコト」をキーワードとしたフリーペーパー、メディアサイトの運営を行っている。

高齢期の暮らし、特に1人暮らしにはさまざまなリスクがある。その回避に一定の効果がある賃貸住宅として「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)」や、将来の介護まで約束される「入居時自立型の介護付有料老人ホーム」という民間の施設がある。
ただ、こうした民間の住宅や施設では、「良質」の住まいに利用希望者が殺到している。争奪戦はすでに始まっているのだ。
私のオフィスでは、親の呼び寄せ(高齢期の住まい選び相談から住まい紹介)のためのに「オヤノコト」相談室を運営している。サ高住や有料老人ホームを熟知した専属の相談員が相談者の事情や環境、条件などを考慮し、適切で良質な施設や住宅を紹介しているのだ。  その相談員によると、最近は適切で良質なサ高住や有料老人ホームのほとんどが満室の状態で、相談者とマッチングしたくてもできないケースが増えているらしい。これは他社の相談室でも同様な状況だという。
その一方で、空室が目立ち、思うように利用者を確保できず事業継続が困難になっているサ高住や有料老人ホームも数多く存在する。そうした施設は、すべてではないが、「質」に問題があるケースが多い。高齢期の住まい選びで特に気を付けなければならないのは「質」だと覚えておこう。
実際、この「質」の確認を怠り、たまたま空室があったという理由だけで入居し、「こんなはずじゃなかった」という残念な例は数多い。
考えてみれば、良質なサ高住や有料老人ホームが満室状態になるのは当然だ。そして現状では、すでに需要に対して供給が追い付いていない状況なのである。
今後ますます、良質な住まいの争奪戦は激化するのではないか。それに勝つためには一にも二にも「早めの行動・準備」が大切なのだ。
=本記事は、夕刊フジに連載しているものです。

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