40歳を過ぎたらオヤノコト

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介護の備えは親が元気なうちに 30~40代の子世代に「ダブルケア」増加

記事の発言・監修・ライター
尚宏 大澤
「オヤノコト.マガジン」編集長大澤尚宏氏

バリアフリー・ライフを応援する生活情報誌「WE’LL(ウィル)」創刊。その後、高齢者社会にスポットを当てた「オヤノコト」をキーワードとしたフリーペーパー、メディアサイトの運営を行っている。

先日、某大手保険会社の調査で、30代以上の男女のうち、3割近くが将来的に親を介護する可能性を感じていながら、6割超が何も対策を講じていないという結果が出ていた。
私の会社でも2009年に同様の調査をしたがほぼ同率で、親の老化を不安に感じつつも、何も対策をしない人が圧倒的の多かった。あれからほぼ10年が経過している現在でも同じような結果が出ていることに、私としては失望感、無力感を感じざるを得ない。
以前、日本人は「過去を振り返らず、未来を考えない民族」と聞いたことがあるが、まさに備えることに対しては楽観的というか、甘いと言えるだろう。
5年後には団塊世代全員が75歳の後期高齢者になる。一斉に75歳になるわけではなく、それまでの5年間の間に次々と後期高齢者に突入するのだから、たとえ親がバリバリ元気だとしても、介護の備えについて動き始めておくことが大事であろう。
そもそも、ダブルケア(介護と育児を両方抱えている人)が25万人を超えていると言われていることを鑑みれば、今、親御さんが70歳過ぎ(団塊世代)の子世代は30~40代が圧倒的だろうから、今後ダブルケアも増加することは間違いない。子育てと介護の両立など、今後の社会保障の先細りや介護保険のサービス低下を予測すれば、厳しい現実が到来することは容易に創造できる。
だからこそ、今、備えの啓発が必須なのだ。
先の調査では、実際に介護を経験した人の43・6%が、「事前にやっておけばよかったと思うこと」について「公共サービスについての情報収集」と答えている。いうまでもないが、情報収集をするのと、怠るのでは雲泥の差が出る。
つまり、しなくてもいいロスや苦労をすることになるのだ。
調査では「地域包括支援センターなどの公共機関の存在を認識しておくといった初歩の備えが重要だ」と結論付けていたが、地域包括支援センターの情報だけでは不足していると思う。
介護の情報以前に、親が元気なうちから備えておくことはたくさんあるのだ。
=本記事は、夕刊フジに連載しているものです。

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