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「リバースモゲージ」と「リースバック」の違い

記事の発言・監修・ライター
尚宏 大澤
「オヤノコト.マガジン」編集長大澤尚宏氏

バリアフリー・ライフを応援する生活情報誌「WE’LL(ウィル)」創刊。その後、高齢者社会にスポットを当てた「オヤノコト」をキーワードとしたフリーペーパー、メディアサイトの運営を行っている。

先日、「リースバック」を手掛ける会社を取材したが、そもそも弊社がオフィスを開設した10年前の時点で東京スター銀行が「リバースモゲージ」を熱心に取り扱っていたことを思い出す。
10年たって高齢化もさらに進み、老後の経済的な不安も増大するなか、リバースモゲージとリースバックが注目を浴びているようだ。
さて、人生100年時代、100歳までの資金計画を立てなければならないと常々書いてきたが、年金もままならない今、自宅を売却して資金を得ながら、継続して自宅に住み続けられるというこれらの制度についても知っておきたい。
そこで、今回はリースバックとリバースモゲージについて解説する。
まず、リースバックだが、自宅を売却すると同時に買い主と賃貸契約(リース契約)を締結することで、売却後も家賃を払って住み続けることができる制度。当然、自宅は自分の所有ではなくなり賃借人へと立場は変わる。それに抵抗感を示す人も多いと聞くが、売却によって一括で資金を受け取れるので、住宅ローンの残債の返済に充てられることが多いという。
もちろん使い道に制限はないので、生活費や教育費、介護費、医療費、事業資金など自由に使えるが、相続対策にするケースもあるらしい。
かたや、リバースモゲージ、こちらは購入した自宅を担保にしてお金を借りる制度。自宅に住み続けられるという点ではリースバックと同様だが、調達した資金が借金である点が大きな違いだ。
大抵の場合、契約期間中は借入金の返済が不要だが、契約によって利息だけ毎月返済を求められるケースがあり、契約者の死亡時ないし契約期間満了となったら、自宅を売却して借入金を返済する仕組みで、将来的に、担保となった自宅を売却する前提で契約を締結するということ。
さらに、リースバックと異なり資金の使い道は金融機関の認めるものに限られるが、金融機関や商品によって自由度は異なるらしいから、比較検討をじっくりしてから契約すべきだろう。いずれにしても、シニア向けの商品やサービスは、業者選びは非常に重要であることはいうまでもない。
老人ホーム、補聴器、相続や家族信託などの手続き代行など、インターネットで検索をすればたくさんの業者が出てくるが、「どれを選んだらいいのか?」「どこが信頼できるのか?」という声を聞くことが多い。本当に玉石混交なので注意してほしい。選択を間違えて後悔しているケースも多々あるからだ。
=本記事は、夕刊フジに連載しているものです。

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