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バリアフリー・ライフを応援する生活情報誌「WE’LL(ウィル)」創刊。その後、高齢者社会にスポットを当てた「オヤノコト」をキーワードとしたフリーペーパー、メディアサイトの運営を行っている。
先日、友人のA氏は「いやあ、思わぬ臨時収入だったよ」と、興奮気味に語ってくれた。よくよく話を聞いてみると、とうの昔に満期になっていた簡易生命保険が出てきたのだという。
彼はこれまでに何度か引っ越しをしていて、保険の住所変更手続きをしていなかった。そのため満期通知が届かず、手続きが漏れていたらしい。
当時の簡易保険は、満期時に受け取り手続きをしないと、満期金を受け取ることはできないため、昔加入した簡易生命保険の存在自体をすっかり忘れていたのだが、「こういう保険があるが、あなたの保険ではないだろうか」という連絡が来て、保険証券を探してみると、確かに自分が契約したものだったとのこと。
なぜそのような連絡が今頃になってきたのか、聞いたところ、担当者がたまたま連絡先不明となって満期手続きができていない保険を調べていたら、氏名も誕生日も一致するA氏を発見して、現在の住所あてに連絡してくれたらしい。
かくいう担当者自身も父親が亡くなる数日前に「こういう共済がある」と言い残したため、自宅を探したら、残念ながら証券は見つからなかったのだが、共済組合に問い合わせて無事に共済金を受け取ることができたという。
しかも、父親が何十年もコツコツ積み立てていたので、利息も入れると掛け金の何倍にもなっており、母親の介護費用にありがたく使わせてもらっているのだとか。
この経験から、同じような人を救済できないかと、できる範囲で持ち主を探しているとのことだったと聞く。
みなさんもご存じだと思うが、現在の簡易生命保険は、満期時に受け取り手続きをしなくても、自動的に指定口座に振り込まれるようになっている。
ところが口座を指定していなかった場合は、手続きをしない限り受け取れない。
A氏のように住所変更手続きを忘れていると、満期のお知らせも届かない。離れて暮らす親が、高齢になって忘れてしまっている保険があるということも十分考えられる。
気になる人はこの機会に調べてみることをお勧めする。
=本記事は、夕刊フジに連載しているものです。
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